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2008年04月25日

NO.75-1:公示地価2008、他

★公示地価2008

平成20年3月24日、2008年の公示地価が国土交通省から発表されました。発表された公示地価の内容は、全国平均(全用途)で前年比プラス1.7%、2年連続の上昇。この他、公示地価の数字だけを見ていれば、地価は上昇ということになるが、実際には?

不動産市場では、サブプライムローン問題をきっかけに金融の引き締め(資金難)から不動産市場への資金流入のストップ・流出があり、ここを分岐点に市場の流れは変わった。今回の公示地価の基になるデータは、これが起こった前後のものであり、この影響が反映されていない。このため、今秋の基準地価や来年の公示地価では、地価上昇が止まり転換点を迎えたという数値になるのではないかと思われる。

住宅地について取り上げられていたものを抜き出してみると、

住宅地については、都心の人気は依然高い。東京駅から二十キロ以遠の郊外との二極化はさらに進む。郊外の分譲物件は九月以降、在庫調整で20−30%の値引きに動くとみている。東京の地価はここ一、二年上がり過ぎた面がある。本来の利用価値に沿った適正な価格へ回帰すると思う。(みずほ証券チーフ不動産アナリスト 石沢卓志氏 東京新聞)

マンション販売では、特に大都市の郊外で、表示価格から大幅に値引きする物件が後を絶たないという。(3月25日付・読売社説)

住宅地、商業地ともに今まで地価の上昇をけん引してきた東京都区部や政令指定都市を中心に、既に地価の頭打ちあるいは一部で下落傾向が生じている。(野村証券・チーフエコノミストの木内登英氏 ロイター)

どの内容を取ってみても、地価は転換点に入り上昇は止まった、郊外を中心に値下がりは始まっているというスタンス。住宅地の地価低迷は、サブプライムローン問題による金融の引き締め→不動産分譲業者の資金難→土地仕入れの低迷という影響もあると思われるが、それ以上に、地価の上昇に購入資金力がついていけないことが主因だと思われる。

1億を超えるような都心のマンションは購入層が違うので別としても、5,000万円超が都内の新築マンション価格のスタートラインというのは、一般的な世帯の収入などから考えると高い。郊外の一戸建てにしても、原油高に影響された建築資材の高騰による建築コストの上昇が、住宅価格全体を押し上げ、収入が伸び悩んだ分、地価を押さえ込んだ。

ここ数年、会社は収益を上げたが、個人所得は伸びていない。これから会社の収益は落ちると思われ、所得にも影響が出る。購買力が落ちることに加え、人口減による住宅需要減少、景気悪化などの要因から、今後の地価が上昇に転じることは、しばらく考えられない。

これからの住宅購入は、資産価値という観点で考えるのではなく、生活を中心とした利用価値で考えるべきである。資産価値は不動産という物が主役であるが、利用価値は利用する人が主役。このため、家族の状況などにより利用価値は変化するものであり、利用価値の変化による住み替えが実現できるように、生活する人も社会も変わっていかなければならない。

★希少性

人は、限定や特別というものに対して過敏に反応してしまう。いついつまでという期間限定、選ばれたあなた様だけ特別に、残り1区画の数量限定などなど。

いつもの旅行なら寺社仏閣に立ち寄らない人でも、百年に一度のご開帳、一般人が立ち入ることが許されない特別な部屋を期間限定で一般公開などと聞くとつい行ってしまう。最近の話題では、何十年ぶりの出雲大社本殿公開。(本殿見学は正装です)

また、外部要因だけが希少性を生むわけではなく、自らも希少性を作ることもある。旅行で出費が増えてしまうのは、次にいつ来るか分からない、もう二度と来ないかもしれないという心理から、行っとけばよかったと後悔しないようにと行動してしまうため。

先日、東京と大阪を結んでいた夜行寝台急行の“銀河”が引退したときも、いま見に行かなければ、いま乗らなければ、という心理が働き、鉄道ファンや銀河に思い出がある人が集まった。

これらのことは、旅行以外の日常でも同じように働く。当然、住まい探し、不動産購入の場面でも。

先日、ハウスメーカーの店長とこんな話がありました。その方が担当するお客様が、不動産屋から“お客様にだけしかお知らせしていない特別な情報、売り出されていない極秘情報”と聞かされて物件情報の提供を受けた。

そのお客様は私が知らない方ですので、店長は私に特別なにをという話ではなく、その物件を不動産のプロとしてどう思うかというだけの世間話程度。

物件の概要を聞いていくと、あれ、それってこういう物件じゃないですか?と聞き返してみると、店長は、そうそうそれです、なんで知っているんですかと不思議顔。だって、その物件は何ヶ月も前から売り出され、複数の不動産会社から情報は公開されていますよと返事。その返事を聞いて、店長は目がテン。

物件としては、物件そのものに特段と問題なく、条件面も適正でしたので、買われても問題ないのではという話で終わりましたが、希少性の営業を受けたことで、お客様は適正以上に、良い物件だと高い価値を感じ、熱く盛り上がっているのではと思いました。

不動産や住宅の販売の現場で、希少性や機会損失などの話や場面があると思います。多少の誇張があることも多いのですが、すべてが販売手法や営業トークではなく、不動産は同じものがないという特徴から、早い者勝ち、限定一名様という希少性や機会損失とは切り離されることはありません。

この時、(広い意味で)希少性の現実やトークに接すると、熱くなったり、同じ情報でもより価値ある物と考えたりしがちですが、購入しようとしている住まいは、自分たちの希望や状況にマッチしているのか、もう一度見極めてみることが大事です。

ただし、希少性や機会損失などの話に誘導されないぞと警戒しすぎると、不動産は、限定一名、早い者勝ちという特性のため、良い物件を取り逃がすことにもなるので、ご注意を。

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posted by preseek_shibata at 10:03| Comment(0) | TrackBack(1) | ニュースレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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