この仲介手数料は、宅地建物取引業法にて定めがあり、不動産会社の自由気ままに設定することはできない。その定めは国土交通大臣の定めるところによるとされている。
◇国土交通大臣の定める額
200万円以下の金額 5.25%
200万円を超え400万円以下の金額 4.2%
400万円を超える金額 3.15%
依頼者の“一方”につき、代金の額または評価額を上の表の左欄に掲げる金額に“区分”して、それぞれの金額に右欄に掲げる割合を乗じて得た額を合計した額“以内”とする。※取引態様が代理の場合、上記額の2倍まで受領できる。但しその場合は、もう片方からは受領できない。
区分するという部分が注意点であり、仲介手数料を3%でしょと言われる方がいますが、実際は400万円以下の部分で3%を上回っている部分を加算しなくてはなりません。
加算額の計算は、200万円×(5.25%−3.15%)=4.2万円と(400万円−200万円)×(4.2%−3.15%)2.1万円の二つに区分され、その額を合計した額の6.3万円となる。
これが仲介手数料の速算式である“価格×3.15%+6.3万円”に結びつきます。例:2,000万円×3.15%+6.3万円=693,000円
もうひとつのポイントは“以内”と定められている点。上記で計算された仲介手数料は、あくまでも上限であり、この金額を超えなければ仲介手数料は自由に取り決めることができます。
この上限については、一方の上限であるので、売主と買主のそれぞれから依頼され仲介した場合は、それぞれから仲介手数料を受領することができる。例:2,000万円の取引を両者から依頼された場合、69.3万円を両方から受領できる。これを両方から仲介手数料ということで“両手”と呼ばれ、一方のみの場合、片方から仲介手数料ということで“片手”と呼ばれている。この両手片手の違いは不動産流通の問題に繋がっている。
まず、一つの取引で手数料額が倍も違うと、当然、不動産会社側は両手を狙ってくる。そのため、売主側の不動産会社は、情報を秘匿し、自社のお客様のみに紹介するようになる。これは会社単位、店単位、担当者単位でも行われる。情報が秘匿されることにより、売主にとっては、購入希望者を限定され、有利な売却条件の機会を損失する。
買主側の不動産会社の場合、紹介する不動産で、両手片手の違いが出れば、両手になる物件を積極的に紹介する。このため、より良い不動産の情報入手機会が損失する。
また、仲介手数料は売買契約をすることにより受領することができるため、契約を締結させることに執着した営業活動になる。弁護士のように依頼され着手する手間賃としての着手料と契約締結による仲介手数料に区分して報酬が得られれば、無理に契約を迫ったり、騙し脅かしてでも契約させようという強引な営業活動は減るのではないか。
ほとんどの不動産会社では、依頼されても契約締結までに至るのは半分以下(2〜3割程度)で、その無報酬部分の業務や費用を成約された方の仲介手数料でカバーすることになる。
不動産会社の業務から見てみると、業務の内容は取り扱う種目で違いはあるものの、取引価格では大きく左右されない。例えば、1,000万円でも2,000万円でも、調査〜重要事項説明〜契約〜取引まで同じ内容であり、金額が違うからと業務が増減するわけではない。逆に、土地と中古住宅、一戸建てとマンションでは、流れは同じでも業務内容は変わる。
金額により仲介手数料を定めている理由を推測すれば、金額の増減により、何かあったときの賠償額に違いがある程度でしょうか。(責任の重さに違いがある)
一般的な商品を購入する場合、当然、商品価格を見て購入するか検討されると思います。不動産取引の場合、不動産価格そのものを見て検討するのですが、それは不動産を購入するかどうかの検討であり、不動産仲介を依頼するかどうかは、ほんらい別の検討材料です。
サービスを商品として見立てた場合、業務内容と費用(仲介手数料)を見比べて、依頼するかどうかの検討しなければなりません。しかし、現在の不動産流通の現場では、不動産そのものばかりに目が行き、仲介という部分については説明もなく始まります。
これは消費者の方が、不動産のことばかりに先走る傾向を、不動産会社側がうまく利用しているもの。どこまでの業務をするかを説明することはほとんどなく、仲介手数料の話が契約前に少しでるくらい。不動産を購入することが決まってからでは、会社を切り替えることは事実上難しく、受けいらざる負えない状況にさせられてしまっているのが現状です。
不動産会社が独自に試行錯誤しながら不動産流通を改善していくために努力はしているが、法律で規制されているため、不動産会社や業界から、よりよい不動産流通のあり方へと変えていくのは限界がある。監督官庁の元締めである国土交通省が、法律改正を通じて、改善させる道を切り開いてもらいたいものです。
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