北京五輪の柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得した石井慧選手が、母校の清風学園高校の校長から教わったと講演したことで話題となった。保証人代行システムの説明をする前に、保証人そのものについて説明します。
賃貸契約や金銭賃借などでいう保証人とは、民法で「保証人は主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。(第446条)」と定められている。
賃貸契約の場合、賃借人(借主)が負う家賃の支払いや原状回復義務などの債務(義務)について、賃借人がその義務を果たさない時、保証人が代わりに責任を負う。ただし、賃貸人(貸主)が持つ請求権は保証人に移るため、支払いから免れられるものではない。※ここが保険システムとは違うところで、混同しないように注意が必要。
保証人には単純保証人と連帯保証人の二つがあり、一般的に保証人という時は連帯保証人を指す。ふたつの違いは、単純保証人の場合、借主本人に請求を先にすること(催告の抗弁権)や借主本人の資産からまずは弁償を受けること(検索の抗弁権)が認められるが、連帯保証人には、この二つの権利がない。簡単にまとめると、借主本人と同等の扱いになる。
借主本人は、実際に部屋を借りるという支払う債務に見合う権利を得るが、保証人は、義務だけ負わされ、何も得られないという損するだけの役割り。このようなことから、校長先生がいう通り、保証人になるべきものではなく、他人に保証人を依頼しても敬遠されることが多い。
このことに加え、身内のことなら責任を取ることに抵抗感も小さいことから、賃貸契約の場合、親もしくは親族が保証人になるケースが多く、さすがに親や親族であれば、自分のためではなくても役に立つのであればと思い、また、子供の責任は親が取るという思いから、保証人を受諾してもらえた。
しかしながら、親子や親族の結びつきが薄くなってきた世相などから、いくら親や親族とはいえ保証人を頼みづらく、また頼みたくないという考えも多くなったこと、親や親族とはいえ、保証人への請求をしても「知らない、関係ない」と責任を認めないようなケースも多くなったことから、従来の保証人システムが時代に合わなくなり、時代とのズレを埋めるべく、保証人を代行する会社が生まれた。
◇保証人代行システム
一言で話せば、お金を払うことにより、保証人をお願いできるシステム。賃貸契約での保証人代行会社の他、住宅ローンを借りる際に保証会社へ依頼するのも仕組みは同じ。保証人を依頼する際に支払うお金を保証料と呼ぶ。
賃貸契約の場合は、従来の保証人で取り扱うケースと保証代行会社を利用ケースが、会社ごとに併存しており、不動産会社の中で併存させ臨機応変に対応する場合などもある。(住宅ローンはほとんどが保証会社利用)
借りる人が保証代行会社を利用する場合、まず、取り扱う不動産会社そのものが保証代行会社を利用していなければダメ。気に入った部屋があって借りようとしても、不動産会社が従来の保証人制度しか対応していなければ使えない。このことから、保証人代行システムを利用して借りたいのであれば、部屋を探す前に、不動産会社での対応の可否を確認する必要がある。
保証人を代行する会社の分類は金融業に該当する。信販会社(信用を販売する会社)発行のクレジットカードを利用し、現金の支払いなく買い物ができるのも、お店側に対し、支払いを保証しているからである。
本質は金融業であり、慈善事業ではなく営利企業である。利益を目的として保証代行会社を営んでいるのであるから、損失を招くようなことは避け、保証人を引き受ける際には、当然、審査が行なわれる。不動産会社が取り扱っているからといって、必ずしも利用できるとは限らない。
この保証代行システムは、借主側が借りやすいようにと生まれたものではなく、確実な家賃の回収、催促から立ち退きまでの煩わしさから解放されたい不動産管理会社や家主のニーズから生まれた。
さまざまな事情、しがらみや煩わしさなどから借主にとっても保証料を支払うメリットがあるが、保証人を代行してくれたとしても、請求権が保証人に移り請求人が変わるだけで、支払いから逃れられるものではないことだけは理解し誤解しないように。
◆ポイント
・連帯保証人は借主と同等の義務を負う
・保証人を依頼する側と依頼される側の双方から敬遠され保証代行システムが生まれた
・すべての賃貸物件で対応が可能ではない
・利用するには審査があり、家賃などの支払いから逃れられるものではない
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