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2008年11月30日

ゆとりローンって?

ゆとりローンって、なに?

およその想像はつくが、ゆとりローンって言葉そのものを私は認識していない。これは私だけのか、業界の全体なのかは不明。

業界に入って20年弱。このゆとりローンなるものが市場に出ていた頃、不動産営業に携わっていた。なのに、公庫融資をあまり使わなかったためか、はたまた、当時ゆとりローンなる言葉を知らなかっただけなのか、私の頭には、ゆとりローンなる言葉はなかった。

ゆとりローンをネットで検索してみると100万件以上のヒットがある。これは、ゆとりローンを利用した人の自己破産など住宅ローン破綻が急増し、TBS報道特集やフジテレビとくダネ!をはじめ多くの報道で、この現状と問題点を指摘することが増えたことによる。

1998年(平成10年)、住宅金融公庫は当初5年間の利息を本来の借入期間よりも長い50年(75年?)で計算した。借入期間の設定を長くすると毎月の返済額を低く抑えられる。この償還を「ゆとり償還(ゆとり返済)」と言い、ゆとり償還方式の住宅ローンを略して、ゆとりローンと呼んだのであろう。

ゆとり償還期間の当初5年が経過した6年目以降は、当初の借入期間が適用される。借入期間が短くなれば、毎月の返済額が増加する。この返済額が家計を圧迫し、自己破産、住宅ローン破綻へと繋がるのだが、1998年からの5年後に問題が起こることが、なぜ、今、問題となっているのか。それは公庫融資のもう一つの特徴が影響している。

公庫融資は、10年目までの適用金利と11年目以降の適用金利を分けた段階金利を採用していた。例えば、当初10年は2%、11年目以降は4%と、11年目に適用金利が上がる。

ゆとり償還により6年目から返済額が増加し、段階金利で11年目から、さらに返済額が増加する。6年目の返済額増加は凌げたが、11年目の返済額増加で、家計が持ちこたえられなくなったことが、住宅ローン破綻に繋がっている。

公庫融資の特徴は、景気も不動産も右肩上がりで上昇する高度成長期には良かったのかもしれない。年功序列の終身雇用で、歳を取ると共に収入が増加する時代なら良かったのかもしれない。

しかし、バブル崩壊後であり、リストラという言葉が生まれ、年功序列の終身雇用が崩れていた、1998年(平成10年)に、このような住宅ローンを、国の出先機関で信用も高い公庫が取り扱っていいものだったのか。

また、公庫融資とならび利用されていた年金融資。今でこそ年金という言葉は不安と同義語となったが、こちらでも同様の制度が採用されており、年金≒国という信用が仇となった。

この“ゆとりローン”による住宅ローン破綻の問題だが、実は、ゆとり償還や段階金利の制度以上に、貸し出し基準が原因となっている。

ゆとり償還の制度をきちんと認識し、状況や今後を見て利用したのであれば、また、段階金利制度は現在でもJAなどで採用されており、適用金利によっては問題はない。

とくダネ!で取り上げられていた事例は、低収入の高齢者に若い娘さんの保証を付けただけで融資を実行。具体的な収入や融資金額は覚えていないが、なんでこんな人にまで融資をしたの?と思える内容。借りた本人の自己責任もあるが、あきらかに貸してはいけない案件であった。※ご本人の借りる資質ではなく、収入と返済負担の問題。

当時、FPの存在がまだ認知されておらず、不動産会社の言うがままに住宅ローンを組んでいた。このため、返済期間全体を見ることなく、借入当初の返済額を前面に押し出す不動産営業により、購入者は左右された。当初の返済額が低く抑えられれば、「これならやっていける」「買っちゃおう」となりやすい。

立派な大人が判断したのだから自己責任もある。不動産営業そのものの意識に問題もある。それと共に、民間金融機関ならいざ知らず、国の直轄である公庫で、このような問題がある融資姿勢にも問題があった。

山一證券や北海道拓殖銀行の破綻など、今回のリーマンショック以上に暗い世相であった時代背景があり、国としては景気回復のため、将来的には問題があったとしても、黙ってやってしまえということだったのでしょう。

「将来に問題が発生するが、それは黙っておこう」なんて、不動産業者なら厳罰が下るような違法行為。でも、国がやれば合法なんですね。住宅金融公庫から住宅金融支援機構への形態と名称変更。これは行政改革の一環なのでしょうが、違法行為を行い信用が失墜し、古い名前では営業できないからと、会社名を変更して営業を継続する不動産業者と大して違わない。

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posted by preseek_shibata at 13:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅ローンとお金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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