詳しい内容は本書をお読み頂くしかないが、「イメージと実態に乖離が生じているブランド住宅の凋落を伝え、景気に右往左往する首都圏には本当のブランド住宅地は存在しないことを示している」
首都圏屈指の人気を誇る東急田園都市線。同沿線は、電鉄会社のイメージ戦略に嵌り人気を集め地価も上昇したが、実態は、手本の英国とはかけ離れた乱開発が行なわれ、日常生活でも地獄的な通勤ラッシュに列車遅延と、これが憧れのブランド住宅地での生活かと現実に落胆させられる。
このイメージと現実のギャップに加え、鉄道の相互乗り入れによる地域格差の減少→東京の平準化(フラット)が、住宅地ブランドが剥げ落ちた根源的な理由だと、コラムニストの泉麻人氏は分析。
また、同誌記事では、高すぎる都心やブランド住宅地は下落したもののまだまだ高く手がでないが、地価下落による都心回帰の需要で、都心の隣接周辺部では下げ止まり傾向にあると、地価データなどから分析している。
私の感覚がおかしいのかもしれないが、この記事の地価データを眺めていて、一般住宅地の地価が坪単価100万円を超えるのは根本的に高いのではないかなと思う。
もし、40坪の土地を坪単価100万円で購入したら4,000万円、さらに諸費用も含むと4,200万円以上にもなる。土地を購入しただけでは住宅ではないので、その後、30坪程度の新築住宅を建てるとしたら、諸費用込みで2,500〜3,000万円程度にはなる。土地と建物合計して7,000万円超になるが、この住宅価格は高いのではないか。
私鉄の路線別所得1位の京王井の頭線の年間世帯所得は709万円。井の頭線沿線が坪単価100万円で土地を購入できるとは思えないが、もし購入できたとしても、年収の10倍の住宅購入費になる。
年収の何倍が住宅購入費の適性であるというような数字は個人的に好きではないが、理想と言われている5倍のさらに倍!というクイズダービー(古いか!)のようなことになってしまう。
ブランド住宅地になるような場所は、訪れてみると、確かに、一般ウケしそうな雰囲気を作っており、名前や都心へのアクセスなど表面的な部分では、欲しがるのは無理もないかなと思われるが、果たして、ここまで高額な住宅を買ってまで暮らすべきなのか。
こんなことは私に言われなくても一般消費者はとっくに気づき、ブランド住宅地から離れ、または、購入を手控える流れになっていると、同記事で分かる。
地価データを見ていると、全面的に地価下落局面であるような世相(報道)であるが、上昇地点こそないものの、横ばい地点も多いことが分かる。ただし、直近で横ばいでも前年比では大きく下げていることから、地価は下落してきたが、下げ止まり傾向に移りつつあることが窺える。
横ばい地点は、小田急線(神奈川県)、西武線、京浜東北(埼玉)、総武線方面など、多くの地域が坪単価100万円前後かそれ以下で、地価が都心やブランド住宅地ほど高くはないが、都心へのアクセスなど利便性に優れているなどバランスが取れている地域が多い。
同誌に掲載された関西圏の分析では、ブランドよりも利便性や教育環境などが重視される傾向にあると。実よりも名の関東、名よりも実の関西という意識が如実に表れているが、関西の考え方の方が正しいと思う。
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