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2008年08月11日

NO.77-2:相次ぐ不動産関連会社の倒産、優良ストック住宅推進協議会

◆相次ぐ不動産関連会社の倒産

先月半ば、東証一部上場の新興中堅マンション分譲会社であるゼファーが倒産(民事再生法申請)した。この他にもマンション建築を中心に請け負っていた中堅建築会社の三平建設など、不動産・建設関連の会社の倒産が相次いでいる。

倒産の直接の要因は、供給増、需要減少、地価高騰による仕入れ価格上昇などの下地が悪い中で、サブプライムローン問題によるファンド資金の絞込みが資金繰り悪化によるもの。

しかし、人口減少、世帯減の社会情勢に加え、今までの住宅ストックなどから、不動産市場の需給悪化は目に見えていたこと。先月末時点では1万戸超の新築在庫がある。その大きな流れがあるにも関わらず、マンション分譲業者が乱立し供給を増やせば、脱落業者が出てくることは分かりきっていた。

大手分譲会社でも、家電量販店のような“在庫一斉値下げ”を実施した。個別での値下げは、かなり昔から当然のように行われていたが、一斉値下げ、しかも目立つように告知宣伝するのは異例中の異例。

この流れは、金融市場の資金需給や資材・地価の下落などという相場的な状況で変わるものではなく、社会全体の状況から方向性は変わらないものと思われる。

さらに、新築分野だけではなく、何十年と供給され続けてきた中古マンションのストックもあり、分譲業者側から見た需給関係はさらに厳しいものになる。

このような中で購入者はどのように選んでいけば良いのか。

新築の場合、保証・アフターなどの受けやすさが中古では得られない良さである。しかし、制度しては対応できても、やはり、分譲業者が健全に事業を続けていることが望ましい。分譲業者の財務内容を見抜くのは専門的な方でないと難しいかもしれないが、私の判断材料は、マンション事業に専念しているかどうかを見ている。

今回のゼファーの場合、マンションやビルを建て、ファンドに売却して収益を上げていた。資金を回していかなければならないこと、社員や関連会社を抱えているため止まることができないことなどから、自転車操業的に資金を回し拡大路線にせざる負えなかったのだと思われる。

拡大路線に走らず、地道にコツコツとマンション事業に専念している会社の方が、資金供給の状況に左右されづらいのではないか。得てして、このような地道な会社の方が、マンションそのものも良いものを作っているようにも思える。

ファンドの資金供給縮小という直撃弾を受けたため、マンション分野の会社から倒産は始まったが、地価高騰、資材高騰、購入側の資金力低下、住宅ストックの増加など、一戸建て分野でも、近い将来に同じような状況が出てくると思われる。

このような状況は、今までの住まい探しや住宅への意識・考え方のターニングポイントになるのではないか、不動産購入のお手伝いをする現場の感覚だけだが、大きな流れが変わりつつあるように感じている。

◆優良ストック住宅推進協議会

大手ハウスメーカー9社が、中古住宅の流通市場の整備と活性化を目指した“優良ストック住宅推進協議会”を設立させた。

この協議会の目的は、現在の中古住宅流通市場では、20年足らずで価値がゼロとされる住宅を、きちんとした点検と手入れをした住宅に対して価値を評価するようにし、住み継がれる住宅を普及させ、社会ストックの充実を図り、さらに、消費者の資産形成と住居費負担の軽減をすることにより、より良い住宅市場と環境を作るものにある。

参加企業としては、品質の高い建物と充実したアフターサポートのために初期コストが高くなる部分を資産価値として維持することでカバーすることにより、住宅事情の向上と商機を拡がることの、消費者と供給者の両方にとって良い仕組みとなる。

実際には、協議会が優良と認めた住宅を“スムストック”というブランドとして形成する。スムストックになれば、それ以外の住宅よりも高く長く評価され、その分、初期コストの高さをカバーする。

スムストックになるには、住宅履歴データを備え、建築後50年以上にわたる点検・補修を行う制度があり、それを実施していることなどを条件となる。

建物価格の査定は、再調達価格をベースに、スケルトン(構造部)とインフィル(内部)に分け、償却期間(50年と15年)と残価(10%)にリフォームや維持管理状態などを加減して算出する。

この査定をするのは、各ハウスメーカーの建物について造詣が深く、建物の維持管理や建築時から現状まで把握できる各ハウスメーカーの関連不動産会社の担当者となり、同協議会が定めた研修を受講し一定レベルに達する必要がある。

この仕組みは、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)が先駆的に取り組んでおり、ほぼその内容を準じている。同社は全く問題ないだろうが、他のハウスメーカーがどこまでついてこれるのか、ここがこの制度の普及のポイントになる。もし、ついてこられず落ちてしまうような会社であれば、会社としても建物としてもそこまでという烙印が付いてしまい、他社と差別化されてしまう。

また、ハウスメーカー以外の建築会社による建物や建売住宅などは、この時点で差別化されてしまっており、この制度が認知される(消費者が気づいてしまう)と、販売に大きく影響が出る。

住生活基本法で打ち出された200年住宅とも関連する中古住宅流通市場の整備、家の履歴書とも共通することであり、この制度は大手ハウスメーカー以外の中古住宅にも拡がってもらいたい。

個人向けの不動産コンサルティングで最大手のさくら事務所の長嶋会長も、今後、中古住宅の流通が拡大することは間違いなく、その会社が供給した中古物件を買いたいというニーズは増え、それに対応できる供給能力が必要であると指摘している。

今の時点で普及していなくても、これから購入する人は、売却するとしたら、10年後、20年後になるので、この制度を踏まえて購入することは、これからの見えない世の中へのリスク対応として必要となる。

≪平成20年8月10日発行≫ その他のバックナンバーはこちらへ
posted by preseek_shibata at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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