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2008年07月22日

リノベーション住宅

リノベーション(renovation)を直訳すると“刷新、改善”、これに住宅という言葉がつくと、既存の住宅を大規模な改装を施し、機能や性能の向上と価値を上げることをいう。

リフォームに近く明確な境はないのかもしれないが、イメージとして、リノベーションは主要構造部は残したまま新しく生まれ変わるほどの大規模であり、リフォームは原型を留めたまま直すまで。改修前の形がほとんど変わらず以前を想像できればリフォーム、以前を想像できないほど変えるとリノベーションと分けたら乱暴かもしれないが、そのような感じでも大きく間違えてないと思う。

違う捉え方としては、原型の価値の維持もしくは回復までに留まるものがリフォームで、原型とは別に新しい価値を加えて違う魅力や特徴を引き出すのがリノベーションか。

例えが悪いかもしれないが、賃貸物件で、アパート、ハイツ、コーポなどの呼び名に明確な定義がないものの、およそのジャンル分けとして機能している分類に近いかもしれない。

さて、このリノベーション住宅だが、福田総理が打ち出した住生活基本法・200年住宅でも大事な骨格となる中古住宅流通の整備と促進を大きく進めると期待され、そこにビジネスチャンスを得ようと不動産・住宅業界が積極的に取り組み始めている。実際、政府では2015年度までに中古住宅流通量を2003年度より10%以上高めようと目標設定をしている。

今までの日本の住宅市場は、短期間サイクルでのスクラップアンドビルドが中心となっており、新築と中古のバランスが諸外国に比べ、格段と新築の割合が高い。これは、環境にも良くないもので、高額な消費となることから住宅取得者の家計負担増加・資産形成の足かせにもなっている。

中古住宅の評価が高く見られれば、資産にもなり、それが後々家計負担、将来的には老後の資金確保にも繋がる。当然、建物が解体されずにそのまま利用されれば環境面にもプラスになる。

しかし、現実では、中古住宅流通が思うように伸びていない。それは、購入へ踏み切るまでの市場になっていないためである。ポイントは、安心と感情。

安心という部分では、新築の場合、供給側が業者になるため、販売活動の中で書類や保証など安心材料が購入者側に与えられるが、中古住宅の場合、一般の方が売主になるため、保証はなく、書類にも不備があるなど、信頼感が得られづらい。

この点を解消することが商売に繋がり、不動産・住宅会社が買い取り、調査や点検、リフォーム・リノベーションを行い、保証して再販売するという供給の増加になっている。

また、中古住宅の購入に踏み切れない要素として、購入者側の感情の問題がある。新しい、初めて、きれいという見た目に問題があると頭では中古住宅の良さを理解していても、購入へと感情が乗り切れない。これも、リフォーム・リノベーションすることにより解消される。

このようにリノベーション住宅・リフォームしての中古住宅再販が浸透すれば、新築より劣る(格下、劣等感)というイメージが変わり、変わっていかなければ日本の住宅事情は良くならない。

今まで、新築住宅にこだわるあまり購入の条件が厳しくなっていたケースでも、中古住宅を購入するという選択肢が増えれば、より自分にあった住宅を取得できるようになり、それが生活、人生まで良い影響が出る。

例えば、新築希望から中古住宅へと転換することにより、同じ予算・同じ広さで通勤時間を短縮できる、同じ予算・同じエリアで住宅が広くなる、同じエリア・同じ広さの住宅購入の資金負担が減る、など。

このように中古住宅の市場が整備され活性化してくると、日本の住宅事情にかなり好影響を与えられる。しかし、リノベーション住宅が有力で強力な存在であるものの、表には裏がある通り、問題点もある。

リノベーション住宅の根本は、不動産・住宅会社による買取での再販売になること。商売として考えると、リノベーション・リフォームして、販売経費をかけ、長期間の保証リスクを踏まえた利益を取って売却するとなると、買い取る価格をかなり抑えないといけない。

買い取る価格が抑えられれば、売却する住宅の所有者の資産や家計にも影響してくる。できれば、中古住宅市場へ直接売却することができれば、ある程度の経費が掛かったとしても、売主にとっては良い結果になる。

リノベーション住宅も必要であり、中古住宅市場活性化を促進する大きな力となるのは間違いない。ただ、それと同時に市場での売却環境の整備も求めたい。

現在の中古住宅流通に必要なのは、一般人の売主が購入者に安心できるような取り組みに積極的な理解と行動をすることであり、それをバックアップする不動産会社の取り組み。(具体的には建物調査など)

売主の素直な気持ちとして、なるべく手間と費用は抑えたいというのは致し方ない。そこを、きちんと説明して納得してもらう担当者の技量と意識。売主の御用聞き、言うがままという感じで、不動産業界側が安易な方向へと逃げてしまってはダメ。

業界側が中古住宅市場を整備し活性化させるぞという意識で団結できるか、そのように行政が仕向けられるかがキーになると思われる。

そして、今から新築住宅と購入する方へのアドバイスは、今後、中古住宅になった時の価値が高く維持できるような建物にすること。中古住宅の取引をお手伝いしていて、とても実感します。具体的なことは公の場では支障があるので、控えさせて頂きます。

(住宅新報08/07/22号参照)

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posted by preseek_shibata at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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