市場崩落の余波
数日前、昨年取引した中堅の不動産会社が倒産したという話を聞いた。その会社は都内に所在し、日常の付き合いがないので、個別に倒産した原因は分からないが、不動産市場の動向と今までの経験値から、特段と不思議な感じはしなかった。
この件から、東京商工リサーチの倒産速報を眺めてみた。そこには不動産業者の倒産があまりにも多い。現在の不動産市場と業界を実感した。
私見だが、不動産業者が倒産するケースで一番多いのが、急成長、中途半端な規模に拡大した新興企業である。上記に紹介した会社がまさにそれ。
財閥系や電鉄系、その他古くからの大手不動産会社はバックボーンがあり、そうは潰れない。零細企業は潰れるということよりは後継者不在・代表の死去に伴う廃業が多い。
不動産業界で潰れるのは、いわゆるイケイケ路線で拡大した元気の良い会社。社会や経済の状況が良く追い風の時は、飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大するが、逆風になると急にバタンときてしまう。
販売不振、金融引き締め、追い風が前提の経営であるから、風がなくなったら落ちてしまう。昨年のサブプライムローン問題や改正建築基準法の影響が直接の原因だが、これらの問題がなかったとしても時間の問題であったのではと感じていた。
不動産市場が崩落して一番大きく影響しそうなのが、やはりマンションではないか。ここ連日の新聞では新築マンションの契約率が低迷している記事が掲載されている。マンションの新築分譲在庫は日々増加している。仮に新築マンションの半分が売れ残ってしまったら、その売れ残りはどのようになるのか。
一番多いパターンが賃貸マンションとして貸し出すこと。外から見たら、ほとんどの部屋に入居者が居て、全部売れたんだと思われるが、実はいつまでも販売するわけにもいかず、自社もしくはどこかに買ってもらって、賃貸にすることは多い。これはかなり昔から行われており、新興企業のみならず、大手でも行われている。
建売住宅なら売れ残った隣の家が賃貸になっても直接の影響はないが、共同住宅であり共同自治であるマンションの場合、生活に影響が出る。例えば、駐輪場や共用施設の利用。賃貸入居の方が悪意故意ではないとしても、これからも永く住むわけではなく、一時的な居住であれば、意識は落ちてしまう。
とは言っても、購入時の居住者がずっと住み続けることはなく、時間の経過とともに売却したり賃貸したりされ、住民は入れ替わる。このことを気になるのなら、マンションそのものでは居住できないのかもしれない。
ちょっとしたことでも神経質になり、クレームをつける時代。譲り合い、思い合い、まぁいいんじゃないのと大らかな時代ならマンションでの共同生活も考えられるが、これからは難しい時代になったかもしれない。
マンションを買うなら、高額な資金を使わずに済む中古にして、いざとなれば逃げられるようにするのがプロの買い方でもある。
≪平成20年6月20日発行≫ その他のバックナンバーはこちら
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2008年06月20日
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