テレビではタレントが参加するクイズ番組が全盛を誇っている。その中から優秀な成績を収めた人ではなく、あえて珍回答をする人に注目が浴びるのはバラエティでのキャラ作りであり、その珍回答が作られたものではないか、あそこまで物を知らないことはないだろうと好意的に見ているのだが、はたして。
番組で出題されるのは文化・社会から経済や政治に至るまで広く一般教養の内容だが、その中でも地理に関する問題は多く、その不正解率も高い。
細かい部分までは、そこに暮らしたい人など縁やゆかりがなければ分からないかもしれないが、都道府県の位置や県庁所在地くらいは知っていて欲しいものである。
この地理への理解度が低いことを“地理離れ”という。日本地理学会の調べでは、高校生の半数以上が、宮崎県の位置を正確に答えられなく、イラクの位置に至っては75%も分かっていない。
この地理離れは、不動産の営業にもお客様の住まい探しにも大きな影響を与えている。地域を選ぶにあたり、地理に関する知識や造詣の深さの程度により、思ってもいなかった最適の地域が見つけられたり見逃したりすることになるからである。
地理が住まい探しに関わっている内容を挙げてみると、地形→災害・生活、交通→通勤・通学・生活、土地柄→生活、気候→健康・生活、行政→生活、産業→生活など。
お客様も不動産営業に携わる者も、地理に関してちょっと弱い気がする。この根本は、日本の教育の問題なのでしょう。立命館大学大学院の千田稔客員教授も、歴史偏重の社会科教育に苦言を呈しています。
生活とは切り離せない不動産・住宅分野の教育を、もっと教育の中に取り入れられなければならない。生活のことから法律や経済、建築まで幅広く網羅できるこの身近な分野から入れば、地理に対する興味も持ちやすいのではないか。
(この記事は日本経済新聞・平成20年6月18日夕刊を参照しています)
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2008年06月19日
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