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2008年08月11日

“日本版サブプライム危機”より

ソフトバンク新書より、石川和夫氏(新日本パブリック・アフェアーズ上級執行役員)、生駒雅氏(エス・ピー・シー・コンサルティング取締役社長)、冨田清行氏(新日本パブリック・アフェアーズ シニア・コンサルタント)の共著により、アメリカで起きたサブプライムローン問題が日本でも起きようとしている危機を警告した“日本版サブプライム危機”が発刊されました。

同書は、バブル経済崩壊後、国の経済政策として行われた旧住宅金融公庫による住宅ローンの融資が、アメリカで起きたサブプライムローン問題と同じく、日本版のサブプライムローン問題を引き起こすと論じています。

なぜ、旧住宅金融公庫の融資が問題を引き起こすのか。それは、ゆとり償還(ゆとり返済)の設定、返済比率の引き下げ、融資限度割合の撤廃、金利の引き下げ、年収制限の緩和などにより、住宅を購入しやすくするための融資条件緩和により、本来は住宅ローンを組めない、家を買えない人にまで、過剰融資(貸し込み)をしたことにあると。

この過剰融資で特に問題なのは、ゆとり償還の“ゆとり”期限が切れることで返済額が一気に上昇することにより、家計・返済が圧迫する。これに物価高や収入の伸び悩みなども加わり、住宅ローンの破綻が急増する。これが日本版のサブプライムローン問題になる。

この問題は、政府が経済政策を優先させたことにあり、国の経済政策に協力させられた責任を国民に押し付けたところに原因があり、住宅ローン破綻で住宅を取られてしまう住宅難民に対して、政府は対策を講じなければならないと警告しております。

以上、同書序章より。この問題の背景や不動産購入・住宅ローンの借入への対応、住宅ローン破綻への対処などについて詳しくは同書をお読み下さい。

実際に旧住宅金融公庫のゆとり返済(不動産屋の実務としてはこの表現の方が馴染みやすい)を利用して住宅を購入した方がこの問題に直面したとき、まずは借り換えを検討してみるといいでしょう。

現在、民間金融機関による住宅ローンはかなり多彩な商品があり、低金利で利用できるものも多い。金融機関でも旧住宅金融公庫を利用している人の借り換えを積極的に取り組んでいます。

購入した時から不動産評価額が下がったとしても、借り換えの方には現在の不動産評価額よりかなり多い額まで融資範囲として設定していることが、金融機関の意欲を物語っています。

ただし、今までの返済状況や現在の収入状況などは見られてしまうので、この点に支障がある場合は難しいかもしれません。

この場合はダメになるまでもがき最悪な状況になってから動くのではなく、早めの段階から、旧住宅金融公庫から衣替えした住宅金融支援機構に相談してください。

住宅金融支援機構では、返済方法の見直しを受け付けると公式に明示しております。※事実上、旧住宅金融公庫の融資は間違っていたと認めている。

国の政策、旧住宅金融公庫を含めた金融機関、不動産業界のどれもが、目先・自社自行の利益しか見てこなかったことに大きな問題があったのかもしれません。

しかし、安易に広告へ食らいついてしまい、最終的な決断をした借りた方の自己責任もあると思います。未熟なのがいけないのではありません。未熟なのにいきなり飛び込んで不動産探しをする順番が間違っているのです。

もし、販売側に責任があったとしても、ツケを背負わされ実際に困るのは消費者です。今後、同じようなことにならないために、具体的な住まい探しをする前に、客観的なプロに相談してから動くことをお勧めします。※知人友人ご親戚の方も経験値のアドバイスはできるかもしれませんが、プロほど視野は広くなく、偏った知識と経験での狭い視野になると思います。

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NO.77-2:相次ぐ不動産関連会社の倒産、優良ストック住宅推進協議会

◆相次ぐ不動産関連会社の倒産

先月半ば、東証一部上場の新興中堅マンション分譲会社であるゼファーが倒産(民事再生法申請)した。この他にもマンション建築を中心に請け負っていた中堅建築会社の三平建設など、不動産・建設関連の会社の倒産が相次いでいる。

倒産の直接の要因は、供給増、需要減少、地価高騰による仕入れ価格上昇などの下地が悪い中で、サブプライムローン問題によるファンド資金の絞込みが資金繰り悪化によるもの。

しかし、人口減少、世帯減の社会情勢に加え、今までの住宅ストックなどから、不動産市場の需給悪化は目に見えていたこと。先月末時点では1万戸超の新築在庫がある。その大きな流れがあるにも関わらず、マンション分譲業者が乱立し供給を増やせば、脱落業者が出てくることは分かりきっていた。

大手分譲会社でも、家電量販店のような“在庫一斉値下げ”を実施した。個別での値下げは、かなり昔から当然のように行われていたが、一斉値下げ、しかも目立つように告知宣伝するのは異例中の異例。

この流れは、金融市場の資金需給や資材・地価の下落などという相場的な状況で変わるものではなく、社会全体の状況から方向性は変わらないものと思われる。

さらに、新築分野だけではなく、何十年と供給され続けてきた中古マンションのストックもあり、分譲業者側から見た需給関係はさらに厳しいものになる。

このような中で購入者はどのように選んでいけば良いのか。

新築の場合、保証・アフターなどの受けやすさが中古では得られない良さである。しかし、制度しては対応できても、やはり、分譲業者が健全に事業を続けていることが望ましい。分譲業者の財務内容を見抜くのは専門的な方でないと難しいかもしれないが、私の判断材料は、マンション事業に専念しているかどうかを見ている。

今回のゼファーの場合、マンションやビルを建て、ファンドに売却して収益を上げていた。資金を回していかなければならないこと、社員や関連会社を抱えているため止まることができないことなどから、自転車操業的に資金を回し拡大路線にせざる負えなかったのだと思われる。

拡大路線に走らず、地道にコツコツとマンション事業に専念している会社の方が、資金供給の状況に左右されづらいのではないか。得てして、このような地道な会社の方が、マンションそのものも良いものを作っているようにも思える。

ファンドの資金供給縮小という直撃弾を受けたため、マンション分野の会社から倒産は始まったが、地価高騰、資材高騰、購入側の資金力低下、住宅ストックの増加など、一戸建て分野でも、近い将来に同じような状況が出てくると思われる。

このような状況は、今までの住まい探しや住宅への意識・考え方のターニングポイントになるのではないか、不動産購入のお手伝いをする現場の感覚だけだが、大きな流れが変わりつつあるように感じている。

◆優良ストック住宅推進協議会

大手ハウスメーカー9社が、中古住宅の流通市場の整備と活性化を目指した“優良ストック住宅推進協議会”を設立させた。

この協議会の目的は、現在の中古住宅流通市場では、20年足らずで価値がゼロとされる住宅を、きちんとした点検と手入れをした住宅に対して価値を評価するようにし、住み継がれる住宅を普及させ、社会ストックの充実を図り、さらに、消費者の資産形成と住居費負担の軽減をすることにより、より良い住宅市場と環境を作るものにある。

参加企業としては、品質の高い建物と充実したアフターサポートのために初期コストが高くなる部分を資産価値として維持することでカバーすることにより、住宅事情の向上と商機を拡がることの、消費者と供給者の両方にとって良い仕組みとなる。

実際には、協議会が優良と認めた住宅を“スムストック”というブランドとして形成する。スムストックになれば、それ以外の住宅よりも高く長く評価され、その分、初期コストの高さをカバーする。

スムストックになるには、住宅履歴データを備え、建築後50年以上にわたる点検・補修を行う制度があり、それを実施していることなどを条件となる。

建物価格の査定は、再調達価格をベースに、スケルトン(構造部)とインフィル(内部)に分け、償却期間(50年と15年)と残価(10%)にリフォームや維持管理状態などを加減して算出する。

この査定をするのは、各ハウスメーカーの建物について造詣が深く、建物の維持管理や建築時から現状まで把握できる各ハウスメーカーの関連不動産会社の担当者となり、同協議会が定めた研修を受講し一定レベルに達する必要がある。

この仕組みは、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)が先駆的に取り組んでおり、ほぼその内容を準じている。同社は全く問題ないだろうが、他のハウスメーカーがどこまでついてこれるのか、ここがこの制度の普及のポイントになる。もし、ついてこられず落ちてしまうような会社であれば、会社としても建物としてもそこまでという烙印が付いてしまい、他社と差別化されてしまう。

また、ハウスメーカー以外の建築会社による建物や建売住宅などは、この時点で差別化されてしまっており、この制度が認知される(消費者が気づいてしまう)と、販売に大きく影響が出る。

住生活基本法で打ち出された200年住宅とも関連する中古住宅流通市場の整備、家の履歴書とも共通することであり、この制度は大手ハウスメーカー以外の中古住宅にも拡がってもらいたい。

個人向けの不動産コンサルティングで最大手のさくら事務所の長嶋会長も、今後、中古住宅の流通が拡大することは間違いなく、その会社が供給した中古物件を買いたいというニーズは増え、それに対応できる供給能力が必要であると指摘している。

今の時点で普及していなくても、これから購入する人は、売却するとしたら、10年後、20年後になるので、この制度を踏まえて購入することは、これからの見えない世の中へのリスク対応として必要となる。

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NO.77-1:リノベーション住宅、住宅ローン減税延長?

◆リノベーション住宅

リノベーション(renovation)を直訳すると“刷新、改善”、これに住宅という言葉がつくと、既存の住宅を大規模な改装を施し、機能や性能の向上と価値を上げることをいう。

さて、このリノベーション住宅だが、福田総理が打ち出した住生活基本法・200年住宅でも大事な骨格となる中古住宅流通の整備と促進を大きく進めると期待され、そこにビジネスチャンスを得ようと不動産・住宅業界が積極的に取り組み始めている。実際、政府では2015年度までに中古住宅流通量を2003年度より10%以上高めようと目標設定をしている。

今までの日本の住宅市場は、短期間サイクルでのスクラップアンドビルドが中心となっており、新築と中古のバランスが諸外国に比べ、格段と新築の割合が高い。これは、環境にも良くないもので、高額な消費となることから住宅取得者の家計負担増加・資産形成の足かせにもなっている。

中古住宅の評価が高く見られれば、資産にもなり、それが後々家計負担、将来的には老後の資金確保にも繋がる。当然、建物が解体されずにそのまま利用されれば環境面にもプラスになる。

このように中古住宅の市場が整備され活性化してくると、日本の住宅事情にかなり好影響を与えられる。しかし、リノベーション住宅が有力で強力な存在であるものの、表には裏がある通り、問題点もある。

リノベーション住宅の根本は、不動産・住宅会社による買取での再販売になること。商売として考えると、リノベーション・リフォームして、販売経費をかけ、長期間の保証リスクを踏まえた利益を取って売却するとなると、買い取る価格をかなり抑えないといけない。

買い取る価格が抑えられれば、売却する住宅の所有者の資産や家計にも影響してくる。できれば、中古住宅市場へ直接売却することができれば、ある程度の経費が掛かったとしても、売主にとっては良い結果になる。

リノベーション住宅も必要であり、中古住宅市場活性化を促進する大きな力となるのは間違いない。ただ、それと同時に市場での売却環境の整備も求めたい。

現在の中古住宅流通に必要なのは、一般人の売主が購入者に安心できるような取り組みに積極的な理解と行動をすることであり、それをバックアップする不動産会社の取り組み。

売主の素直な気持ちとして、なるべく手間と費用は抑えたいというのは致し方ない。そこを、きちんと説明して納得してもらう担当者の技量と意識。売主の御用聞き、言うがままという感じで、不動産業界側が安易な方向へと逃げてしまってはダメ。業界側が中古住宅市場を整備し活性化させるぞという意識で団結できるか、そのように行政が仕向けられるかがキーになると思われる。

そして、今から新築住宅と購入する方へのアドバイスは、今後、中古住宅になった時の価値が高く維持できるような建物にすること。中古住宅の取引をお手伝いしていて、とても実感します。

(住宅新報08/07/22号参照)

◆住宅ローン減税延長?

(平成20年8月1日・朝日新聞)

 財務省と国土交通省は、今年末に期限を迎える住宅ローン減税を、来年以降も継続する検討に入った。住宅需要の低迷が続くなか、減税を打ち切ると景気に悪い影響を与えかねないと判断した。今後、減税の規模や適用条件などを詰める。今年末の税制改正の焦点になりそうだ。

 景気の「後退局面入り」も指摘されるなか、国交省は減税が住宅購入を下支えしてきたとして、打ち切りは避けたい考え。09年度の税制改正に向けて今年8月末に提出する税制改正要望に、制度の継続と一部拡充を盛り込む。

 さらに与党にも、来年9月までに実施される総選挙を前に「減税の打ち切りで景気減速や景気後退を加速させた」との批判を避けたい思惑がある。自民党税調幹部は「住宅ローン減税継続は重要な検討課題だ」として秋以降の税制改正で議論する考えだ。

今年度での住宅ローン減税打ち切りということで、土地を購入して新築する人にとって、今年前半が土地を購入するリミットとなり、駆け込みで購入する人が大勢になった。(建売や中古は秋がリミット)

しかし、内容は別としても延長されるのであれば、駆け込みで慌てて購入する必要もなく、またしても、行き当たりばったりの政治に振り回されたことになる。いい加減、場当たり的な時限措置のような政策は止めて欲しい。

住宅ローン減税、延長してもらえるのならそれに越したことはないが、できれば期限無しの長期的なものにしてもらいたい。税制などの要因で不動産市場に影響を与えるのは極力さけてもらいたい。需給や社会的な要因など、ある程度、自然の流れで相場が決まるようにしてもらいたい。

この際、できれば、これから住宅ローンを組む方に加え、今まで住宅ローンを組んだ方・今まさに返済している方までも対象にした“住宅ローン控除”を恒久的な制度として取り入れてもらいたい。

私が考える住宅ローン控除とは、単純に自宅のための住宅ローンで支払った利息を所得控除するもの。仮に3,000万円の年3%で年間90万円の所得控除となり、税率10%なら年9万円の減税。(分かりやすくするための計算)

一家庭ごとの減税幅は現在の住宅ローン減税よりも少なくなるが、当初10年間に限るという期限をなくし、支払っている間全期間控除となれば総額は変わらないか多くなるのではないか。

これから住宅ローンを組む方≒これから不動産を購入する方だけを対象にした税制よりも、住宅ローンを組んでいる方全体を対象にした方が、景気対策にもなるし、ガソリンや物価の上昇に痛めつけられた家計の助けになる。

この提案は、総減税額が大きいので、絶対に採用されないとは思いますが。ある程度の所得金額でカットする(年間所得1,000万円以上は適用外)、優良住宅(それこそ福田総理が主導している200年住宅)のみを対象とするということでもいいのではないかな。

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posted by preseek_shibata at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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