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2008年08月31日

正義はどこにあるのか

不動産業界はいつまで経っても信頼を得られないというお話しをひとつ。(これは実話に基づいたものですが、具体的な内容は依頼者にご迷惑をかけてはならないので差し控えさせて頂きます)


会社が利益を得ることに注力するのは当然のことで、これが悪いわけではない。これは不動産業界も同じ。

どのような業界でも、法規定以外に、様々な商慣習、暗黙のルール(※)、掟、秩序がある。不動産業界にも円滑な取引や市場を形成するために、さまざまな決まりごとや暗黙のルール、慣習がある。

※法規定で定められたものを公式なルールということに対し、法で定められていないが秩序を守るために、業界内で一般的に認識されているルールを暗黙のルールと表現しました。

違法な営業活動で利益を得るのがいけないのは、誰でも分かっていること。当然、刑事罰、民事での賠償、行政処分など、違法・不法行為を行えば、それなりの処罰・ペナルティがある。

このため、営業を行う側としては、法律を熟知し、違法・不法にならないように行うが、悪徳な会社ほど、この法律に触れないギリギリのラインで営業活動をする。

商慣習や暗黙のルールは、法律で明文化されたものではなく、当然、罰則規定もない。このため、悪徳な会社は、自社の利益のみを考え、これらのものを都合よく取り入れたり、無視したり、破ったりする。

このようなことは、一般社会でも、他の業界でもあることかもしれないが、特に不動産業界で多いのではないか。

法規定はもちろんのこと、商慣習や暗黙のルールなどを尊重したうえで、自社の利益を得るために活動するなら、それは誰も咎めることではない。

自社の利益だけのために活動する会社のために、振り回され・嫌な思いをする消費者、秩序ある業務を行っている同業者、不動産業界の信頼獲得へと取り組んでいる志ある人たち、みんなが被害を被る。

そしてもっと怖いのは、このような会社であることを知らずして、その会社から購入してしまうこと。この手の会社は表面上では良く見えるケースが多い。

このような会社は、消費者や同業者からの信頼が徐々になくなり、近いうちに商売が立ち行かなくなるだろう(ならなければおかしい)。しかし、一つの会社が無くなっても、また、同じような会社が出てくると思われる。(今回のようなことは初めてではなく、知らないところまで推測すれば日常的なことかもしれない)

はっきり言って、業界からの自主的な向上は望みは薄い。不動産業者が被害を被るところまではカバーしてくれなくてもいいので、せめて、消費者が被害にあわないようには法規定をしてもらいたい。

宅地建物取引業法:第1条 この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。


抜け穴だらけの現行法。まったくもって目的を達成していない。政治も行政も全然ダメ。

正直者、正しいことを行っている者が、損をするという世の中は間違っている。これが改善されないのであれば、果たして正義はどこにあるのだろうか。

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2008年08月30日

自然倒壊

◇築80年の住宅が倒壊 東京・渋谷

 26日午後3時55分ごろ、東京都渋谷区上原の木造2階建て民家が倒壊したと119番があった。

 警視庁代々木署の調べでは、民家には80歳と74歳の姉妹2人がいたが、2人は逃げ出し無事だった。

 民家は1928年に建築。築約80年で、老朽化のため自然に倒壊したとみられる。

 近くに住む主婦は「以前から扉や柱がゆがんでいて、いつ崩れるかと怖かった。壊れた時は、ダンプカーが砂利を一度に落としたようなすごい音と地響きがした」と話している。

 現場は小田急線代々木上原駅近くの住宅街。

(西日本新聞:2008年8月26日)


建物の倒壊と言われれば、ここ数日の大雨による土砂災害や地震などの天災によるものか、今年、栃木県の足利であったような、ずさんな工事によるものなどの人災であることが大半であり、自然に倒壊したと聞いて、ちょっとビックリしました。

このニュースを聞いて、木造住宅でも築80年は持たせることができるんだなと感じたのが率直な感想。どの程度のメンテナンスをしてきたのか、どの程度の建築であったのかは不明だが、この時代の木造建築で80年持つのであれば、現在の技術レベルならもっと持たせることもできるのではないか。(当然、メンテ等をする前提)

※耐久性に優れた建築ならもっと持つのかも?

現在の住宅は、高度成長期に建てられたものが多く、今、建て替え時期を迎えている。しかし、もしかしたら、まだまだ持つのかもしれないと一考させられるニュースであった。

築30年を経た住宅を、まったく新しい人が購入して暮らすということに抵抗感を持つ方が多いの現状であり、現在の中古住宅市場では厳しいところもあるが、耐震補修、省エネ改修、リノベーションなどをして流通化できれば、住まいの選択肢も拡がり、家計にも負担が少なく、エコにもなるのかもしれない。

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既存不適格物件

違反建築という言葉は、よく聞かれる言葉だと思います。意味は皆さまがご認識の通り、法律に定められた内容に違反して建てられた建築物です。

また、建築確認申請から完成までの間は適法でも、その後、売主が建物の敷地の一部を売却して敷地が狭くなり、建ぺい率・容積率が超過した場合も、違反建築に含まれます。

違反建築とは、分譲業者や建築主、建築会社などが、法律で定めれられた規定に違反することを知っており、悪意のもとに行った場合です。

この違反建築に近いものとして、既存不適格物件というものがあります。これは、新築時はその当時の法律に適法であったが、その後の法改正などにより、現行での法律の規定に適合しない物件です。

法規定に適合してない物件という点では、違反建築も既存不適格物件も同じですが、新築時に悪意を持って法規定に適合しない建築をしたか、新築時は法規定に適合していたかの違いです。

既存不適格物件の場合、当初は問題がなかったため、そのまま利用している分には支障がないが、その後、建て替えをする際は、現行の法規定が適用されるため、現在の建物と同じようにはならないこともあります。

不動産取引の中では、重要事項説明(本来なら紹介段階から)にて、法改定により、現在の建物と同じようにはできず、現行法であればどこまで可能かを説明されます。※現行法では建て替えできません(再建築不可)ということもありえます。

既存不適格物件が新築として売り出されることはないため、既存不適格物件は、中古住宅・中古マンションで売り出される中にあります。※新築+既存不適格=違反建築。

中古住宅等の売主さんは主に一般の方になり、この方々は法改正の被害者で罪はありません。また、新築当時は適法であるので、分譲業者にも罪はありません。このように既存不適格物件は、誰にも罪はない、仕方ない物件と言えます。

このため、ここ最近は取り扱っておりませんが、数年前に既存不適格物件を取り扱った際は、住宅ローンの利用が可能でした。※違反建築は住宅ローンの取り扱いは不可。

購入する側から見た場合、現在の建物の利用価値と将来の建て替え時の制約などを総合的に勘案して判断する必要がございます。

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200年住宅の優遇

政府がまとめた総合経済対策に、生活支援として定額減税、高速道路料金引き下げ、小麦の値上げ抑制などに加え、年内で期限が切れる住宅ローン減税の延長と拡充案が盛り込まれました。

国土交通省の案では、延長する期限は5年、減税対象の借入額上限を上げるもの。現行の制度では、対象額と控除率、控除期間はどのような住宅でも一律であったが、延長拡充案では、200年住宅と省エネ住宅の場合に限り、控除対象借入限度額を上げ、さらに控除率も増やし、控除期間も引き延ばす。この結果、減税の最大控除額は増え、一般住宅との格差が出ることになる。

≪国土交通省案≫

現行一律:2,000万円、10〜15年、0.5〜1%→最大控除額160万円
一般住宅:3,000万円、10〜15年、1%→最大控除額300万円
200年住宅:3,600万円、15年、1.2%→最大控除額650万円
省エネ住宅:3,300万円、10年、1.2%→最大控除額400万円

※最大対象額、控除期間、控除率→最大控除額

さらに、この国土交通省案に対して、財務省は一般住宅向けの拡充には慎重な態度を示しており、延長はされても、拡充の部分が200年住宅や省エネ住宅のみとなれば、さらに格差は拡がることになる。

この200年住宅となるのは、長期優良住宅の普及の促進に関する法律(省令)で定められた規準をクリアし認定されることが必要。ただし、明確な基準は表示されていない。

≪現在示されている基準≫

・維持保全の期間が30年以上であること
・定期的な点検補修などの計画が策定され、点検履歴が蓄積されること
・腐食の防止(耐久性)、地震に対する安全性(耐震性)の確保
・状況変化に対応した構造・設備の変更が容易であること(可変性)
・維持保全を容易にするための措置
・バリアフリー、省エネルギーの誘導基準に適合するもの

これらの規準がどの程度まで要求されているのかは、具体的な基準ができていないのでなんとも言えませんが、住宅性能表示を受けて、それなりの規準にあれば技術レベルはクリアできそうです。

おそらく一番厳しい部分は、建物の維持管理計画の策定と点検履歴の蓄積(住宅履歴書)への対応でしょう。この点に関してクリアできる建築会社は、かなり限られてくるのではないか。

大手ハウスメーカーでは既に対応済みの会社もあるが、建売分譲会社や一般工務店では難しく、さらに分譲会社の倒産が増加していることからも分かる通り、長期的なフォロー体制への信頼と安心を得るのは容易ではない。

性能表示や建物保証など、建築の制度ができる度にいろいろな第三者機関などが設けられたことから、住宅の履歴や点検補修などの計画策定と実施をする機関なども設けられるかもしれません。(そうしないと建売業者や中小工務店は生き残りが厳しい)

また、200年住宅に認定されると、今回の住宅ローン減税以外にも様々な優遇措置がございます。

≪主な200年住宅の優遇措置≫

・登録免許税の税率優遇
・不動産取得税の控除枠優遇
・固定資産税の優遇
・住宅ローンの借入期間の長期化支援(現行35年→50年)

これらの200年住宅の優遇を見ていると、住宅取得者の資産形成、社会資本形成、環境対策などから、この200年住宅を普及させたい意向がひしひしと伝わってきます。

この200年住宅普及は新築時だけの取り組みでは片手落ちで、建物の長期耐久→資産形成のために→適正な評価→中古住宅流通市場の整備が必要になる。このために維持管理計画の策定と実施、住宅履歴書の整備がある。

200年住宅の取り組みそのものは、反対する政党がなかったくらい、誰が見ても良いものである。逆に、これから買う人は、200年住宅に認定されないと、家計的にも資産的にも厳しくなるということが、国から言われているようなものです。

200年住宅(もしくは省エネも)でないものは不利になり、中古住宅としての価値が下がるということになり、中古住宅市場に出しても売りづらくなるということ。

そして、これからの10年、20年後は中古住宅の時代が来るのではないだろうか。ここまで考えて、住まいの購入を判断して欲しい。

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posted by preseek_shibata at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月29日

◆□◆初めてでも失敗しない不動産の買い方◆□◆ 第70号


 不動産購入応援サイト「プレシーク」 −− http://www.preseek.jp/ −−

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   ◆□◆初めてでも失敗しない不動産の買い方◆□◆

   第70号  平成20年8月29日   発行 株式会社プレシーク

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 1619人の読者のみなさま。こんにちは。
 不動産購入応援サイト管理人の 柴田 誠 です。


 各地でゲリラ豪雨の被害が出ております。
 被災者の皆さまにはお見舞い申し上げます。

 8月も終わりに近づき、秋に入ろうとしております。
 例年通りだと、9月も残暑が残るのですが、
 今年の傾向だと、秋雨が多く、秋に入ってしまうのでしょうか。


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 さて、涼しい季節に入りますと、
 不動産を購入されようとお客様が動き出します。

 弊社でも、お盆明けから、問い合わせや依頼が殺到しております。
 住まい探しをされている方が多くなると、
 良い物件には希望者が重なって、取り逃がしたということも起こります。

 慌てて購入することはお勧めできませんが、
 いざという時に動けるように、しっかりと準備しておきましょう。


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 例年、秋頃から来年の税制などについての話題が出てきます。
 今年は、住宅ローン減税が終了するということで、
 今後の税制がどうなるのか注目されてきましたが、
 どうやら、住宅ローン減税は、延長されるようです。

 具体的な内容はまだまだこれからですが、
 年々、内容が変わり、購入した年で有利不利が出るような
 制度は止めて、長期的な制度にして、安定させてもらいたいものです。

 住宅ローン減税延長?:http://www.preseek.jp/column/fp/080801.html

 住宅ローン減税・国交省方針:http://www.preseek.jp/column/fp/080818.html

 また、住宅ローン減税の他にも期限切れになる税制もございますので、
 こちらも要注意です。

 2008年度末期限の住宅税制:http://www.preseek.jp/column/fp/080819.html


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 この8月は不動産会社の倒産が頻発しました。
 短期的な要因は、サブプライムローン問題から始まった金融機関の
 資金締め上げが原因ですが、根本的には、社会的な構造が原因となっております。

 相次ぐ不動産関連会社の倒産:http://www.preseek.jp/column/news/080726.html

 不動産会社倒産の傾向:http://www.preseek.jp/column/news/080828.html

 このような時勢の中で購入する場合、どのような点に注意したらいいか、
 よく見極めてから購入してください。


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 新築分譲業者の破綻ラッシュは、社会の構造、不動産市場が
 変わろうとしているシグナルと考えられます。

 これからの住まいと不動産市場がどのような状況になるのか。
 いろいろな動きを見ていると、大きな流れが分かります。

 リノベーション住宅:http://www.preseek.jp/column/judgment/080722.html

 優良ストック住宅推進協議会:http://www.preseek.jp/column/house/080804.html

 この時代の流れを掴むことは、
 住まいの購入で失敗しないためにも大事なことです。


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 このメルマガに兄弟誌が誕生しました。

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 http://www.mag2.com/m/0000251565.html

 この日刊メールマガジン「ヨッシーの不動産営業日記」は、
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 毎日、現場で起こるさまざまな出来事と日々の泣き言?をお伝えします。

 平成12年から不動産売買全般を経験してきました。
 それら経験をいかして、ナイスな不動産購入アドバイザーになるべく
 毎日邁進している筆者ですが、経験上、
 中小の“不動産屋のオヤジ”に詳しいです。。。

 不動産屋のオヤジといえば、
 黒いセルシオ、ゴルフ三昧、、、ってイメージありません?

 あながち嘘じゃないんですが、もちろんそれだけじゃないですよ!
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 □筆者吉野・プロフィール http://blog.smatch.jp/yossy/profile

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 よりよい住まい探しを実現するには、購入希望者と営業担当者など
 不動産会社側とが深い信頼関係で結ばれていなければなりません。

 ところが、最近の日本では偽装問題が頻発するなど購入希望者の間に
 住宅不信が高まり、また、業界側にもリスク・トラブルを避けようと
 する過剰なまでの意識が働きはじめています。

 その中で購入希望者が最良の住まい探しを受けられるように、
 両者の橋渡し・調整役を務めるのが
 私たち不動産購入アドバイザーの仕事の一つです。

 不動産購入アドバイザーは購入希望者からの依頼を受けて、
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 購入希望者にとって最適の住まい探しや住宅を選べるよう
 アドバイスすることが主な仕事です。

 詳細は http://www.preseek.jp/main/sapo.html

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 柴田 誠(不動産コンサルティング技能登録、ファイナンシャルプランナー)

・昭和44年1月25日生まれ A型 船橋市立小室中→千葉県立八千代高
・船橋市小室町にて、男の子二人と妻・母の五人暮らし

・千葉県内で38年の生活と15年の不動産営業から地域情報に精通し、
 ファイナンシャルプランナー業務から住宅ローンに強い不動産コンサルタント。
 セミナー・小冊子などによる初めての不動産購入者へのアドバイスに注力して、
 不動産購入のサポートを中心に携わっています。 

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数量指示売買(実測売買)

民法及び判例では、数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積・容積・重量等を売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金が定められた売買をいうとしています。

数量指示売買そのものは一般的な事柄であり、不動産に限ったものではありません。また、土地や建物を数量や容積・重量で取引することは現実的にはありませんので、面積に焦点を絞ったものになります。

さらに建物に関しては、取引対象になることや価値が評価される場合、比較的新しい建物であることが多く、その場合、建築確認の設計や登記の面積が大きく異なることが少ないことから、土地の取引で主に行われます。

数量指示売買となるのは、一定の面積があることを条件に取引され、面積の単価に乗じて価格が算出された場合です。このことから、実際の土地の面積を測って取引するという実務上の形態から実測売買と言われます。(業界では、数量指示売買という言葉を使うと、おそらく、?という反応をされ、実測売買というとすぐ理解されます)

この数量指示売買(実測売買)となる場合、不動産売買契約書に、「実測により面積に増減があったときは、1u当たり‥万円で清算する」といった約定事項が記載されます。

このような記載がなく、公簿や測量図の面積が記載されただけであれば土地の内容を表示したに留まり、実測売買とはなりません。または、公簿売買とし面積の増減があっても清算しないという記載があれば、公簿売買となります。

ただし、公簿面積よりも実測の面積が小さいケースで、実測売買である記載がなくても、公簿売買である説明や条項がなく、買主が実測することを求めた事実があり、単価を基準にした価格交渉があったことから、実測売買(数量指示売買)と認めた判例もあります。

この場合、民法の規定により、瑕疵担保の取り扱いと同様に、代金減額、損害賠償、解除(面積が小さくて利用できない場合など)の請求ができます。瑕疵担保と同様、事実を知ってから1年以内の請求に限ります。

逆に、実測の面積が公簿面積より大きい場合、売主側より代金増額請求ができるかというと、法的にはできないとなっております。(不足していた場合の買主側の権利した記載がない)

民法第565条:〜、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったとき〜

現実の取引では、既に公簿として登記されている土地の場合、公簿を基準とした公簿売買になることが一般的です。この際、公簿面積の基になったのは何なのか、実際の土地がどのような状況に置かれているのかから判断し、公簿売買と実測売買の見極めをしなければなりません。

ごく最近の近代測量の測量図が完備されており、公簿面積と実測面積が大きくことなることはないだろうと思われれば、公簿売買でも良い。逆に測量図がない場合や測量図が古くて信頼性に欠ける場合は、実測売買にした方が良い。

※取引の中での実測売買の場合、面積が大きくなった際に売主が代金の増額請求をできるような取り決めが多いが、これは取引での約定を尊重しているもの。このような取り決めがない場合は売主に代金増額の請求がないとしているまで。現実では、感情ある人間同士の取引になるため、法律的な根拠を主張し、減額ありの増額無しという取り決めでは売主が感情的に納得しないと思われる。公平に面積×単価での清算にする方が円満になる。

また、公簿売買と実測売買の中間的な取引も行われることが多い。これは、公簿売買であり代金の清算はしないが、実測の実務だけは行い、面積に関してすっきりさせるというもの。

これらのことに関し、土地や売主の状況、感情的な部分、取引の代金そのものや不動産相場など、微妙な兼ね合いを考慮しながら、バランスよく取りまとめていくことになる。

自分の都合の良い部分だけを取って主張すること、小さく勝って大きく負けるということにも成りかねないので、ご注意を。

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譲渡担保

抵当権や質権と同じく債権担保の一種。抵当権は所有権や使用収益権(利用)はそのままにした担保、質権は所有権はそのままも担保物を預かってしまうため使用収益(利用)はできない担保になるのに対し、譲渡担保は所有権を移転するも使用収益はそのままにする形式。

不動産の譲渡担保の場合、所有権を移転し、返済が完了したら返却をする。もし、返済が完了しない場合、処分して清算するか、完全な所有をする。この際、債権額<売却額・評価額の場合は差額を清算する。

抵当権と違い、譲渡担保の場合、債権を回収する際、競売などの手続きを踏むことなく処分できることから手間や時間が掛からないメリットがあります。また、所有権が移転されていることから、通常の担保形式である抵当権よりも債務者にプレッシャーが掛かり、返済に対する意識が高まります。このようなことから、債権者側にとってはより強い担保となります。

譲渡担保が設定されると通常であれば登記の所有権移転手続きが行われます。不動産を売却する際、登記名義人=売主という図式が必ずしも成り立つ訳ではなく、譲渡担保が設定されている場合、債権者(登記名義人)と債務者(実際の所有者)が、それぞれ売主になることが考えられます。

このような状況になると、一般の方は聞きなれないというだけで判断しがちですが、担保が付いているだけで不動産そのものに欠陥があるわけでもなく、抵当権などの他の担保の場合と同様に考えればよいだけです。

実質的な所有者である債務者が売主となって売却する場合、所有権の登記名義を債権者から戻してもらう必要があります。債権者は債権の回収さえできればよいことから、売却代金を債務返済に充て、所有権を移転します。これは抵当権を抹消する際と手続きの形は同じです。

抵当権が付いた不動産の購入する際も、抵当権が抹消され完全なる所有権が確保できることが確認できなければ、代金の支払いは行わないのと同様に、所有権の移転が確実でなければ支払いをしないだけのことです。この手続きは司法書士に確認してもらいます。

※譲渡担保が所有権の仮登記という形の場合でも、この仮登記が抹消されることが条件です。

債権者が売主となる場合はもっと単純で、登記名義人である売主から通常通り、所有権移転手続きを取るだけのことです。(債務者は債権者が売却して得た金銭を返済に充てることに同意しているのですから)

譲渡担保で気をつけなければいけないことは、抵当権の場合と同様ですが、債権者が不動産取引を了解しているのか、手続きに協力的なのかどうかと、債権額<売却額になっているかどうかです。

抵当権の場合も同様ですが、債権額>売却額の場合、売却金額だけでは債権は消えないため、担保権(抵当権でも譲渡担保でも)の抹消ができないことも予想されます。また、債務者には1銭も残らないことから、契約時の手付金の保全をすることが大事です。

ここまでが理屈理論上の手続き的な話でしたが、現実には、譲渡担保という強力な担保手段を取るのは、債務者がよほど困った状態であるか、債権者がいわゆる一般的な金融機関よりもちょっと怖めの金融業者であるケースがほとんど。

不動産会社や司法書士などのプロが携われば取引としては問題なく完了できます。また、債権がらみなので弁護士が出てきていれば大丈夫でしょう。しかし、一般の方だけで臨むのはリスクが大きく、また、不動産会社が金融会社と絡んでいないかどうかの見分けも必要です。

また、経験則で、破綻した人や債務超過している人が所有する不動産そのものも、懐具合と同様に傷んでいるケースが多い。このため、一般的な相場よりも安く買うべきだと思われる。

やっぱり、一般の方は、直接手を出すよりも、不動産会社が一度下取りして、整理し、リフレッシュした後に購入した方がよいかもしれません。(競売物件を直接購入するよりは良いかもしれませんが)

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2008年08月28日

工事監理

監理:物事を監督、管理すること。取り締まること。

監督:取り締まったり、指図をしたりすること。


建築現場では“現場監督”という名の人がおり、その名の通り、工事の現場を監督する。主な業務は、現場で働く人に指示をしたり、工程の管理、近隣クレーム、会社内で営業やお客様との調整や打ち合わせなど。ほとんどが社内の担当者が担い、現場責任者として業務を行います。

この現場監督とは別に、工事監理者という名の人がいます。工事監理者とは建築法で定められており、社内社外問われないが、建築する建物に合わせた建築士が担います。

建築士法第2条第6項
工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書の通りに実施されていないかを確認することをいう。


現場監督が現場を動かし、工事監理者がチェックするというのが役割です。建築主の立場に立って工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認することにより、違反建築・欠陥工事の発生を未然に防ぐことを目的としています。

建築士法第18条第3項
建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。


現場監督や設計担当者が施主(お客様)の前に出てくることは多いが、私が工事監理者ですと紹介されることは少ない。これは、事実上、設計士≒建築士であり、この設計を担当する方が工事監理者となるが、工事監理者ですと名乗らないことと、工事監理業務について説明しないことによる。

この工事監理者という立場は微妙なものになっている。数は少ないものの、設計士(建築士)に直接依頼している場合は工事監理の立場は強くなれる。しかし、社内の建築士や建築会社から依頼された建築士の立場は強くなれない。

建築会社が真面目に取り組んでいるならまだしも、いい加減な建築会社で、工事監理者の立場が弱い場合、とても危険な状態になる。また、工事監理がされているのは良い方で、建売住宅などでは実質監理さえされておらず、名義上の監理者というだけの時も多い。

中間検査や完了検査時には、工事監理の状況報告があるものの、どこまで適性に行われているのか疑問であり、工事監理の仕組みそのものが有効に機能していない。

特に、完成した後に購入する建売住宅の場合、この工事監理がどのように行われたのかを確認することをお勧めしたい。内容までチェックできればより良いが、確認することそのものでも、販売・施工会社の意識が分かり、感じるところも多いと思われる。

ちなみに、欠陥住宅での損害賠償は、工事監理にも責任があれば、工事監理者である建築士にも請求ができます。建築士そのものは個人資格ですので、会社だけではなく、建築士個人にも責任が及ぶことですから、建築士さんそのものも立場を強く持って欲しいものです。

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不動産会社倒産の傾向

今週、新興の不動産会社の大型倒産が相次いだ。下記記事は日本経済新聞より転載。

◇創建ホームズ、民事再生法の適用申請 負債総額338億円 (27日)

 戸建て住宅事業を手がける創建ホームズは26日、民事再生法の適用を東京地裁に申請し、受理されたと発表した。負債総額は338億円。住宅需要の落ち込みで業績が低迷。全従業員の4割を削減するなどして経営の立て直しを目指したが、金融機関の融資姿勢が厳しくなったことが響き、資金繰りが行き詰まった。

 同社は首都圏を中心に建売住宅や分譲マンションを販売。地価高騰による住宅価格の上昇が消費者離れを招き、2008年2月期の連結最終損益は5億8200万円の赤字となった。このため、7月末には希望退職により全従業員の4割に当たる約100人を削減。さらに営業所を集約するなど事業の再構築を進めていた。

 ただ、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を契機とした金融市場の混乱で金融機関が融資姿勢を厳しくしたことから「今期に入り新規借り入れや借り換えが困難になった」(創建ホームズ)といい、今月末の決済資金を調達するめどが立たなくなった。

◇分譲マンションのセボン、民事再生法の適用申請 負債621億円(26日)

 首都圏を中心に分譲マンションを開発・販売するセボン(東京・新宿、山崎喜久男社長)は25日、東京地裁に民事再生法の適用を申請、受理された、と発表した。負債総額は621億円。マンション市況の悪化に加え、販売不振で資金繰りが行き詰まった。ゼファー、アーバンコーポレイションといった上場会社が経営破綻するなど、ここにきて不動産業界の経営環境は一段と厳しくなっている。

 セボンが85.2%出資するジャスダック上場の戸建て住宅会社、旭ホームズの坂谷賢一社長は25日、「当面、当社の経営に影響はない」と説明した。

 セボンは1974年に設立、84年にマンション分譲事業に本格参入した。デザイナーズマンションや低層の住宅棟を円形に連ねたタウンハウス型マンションなど独自のマンション分譲で事業を拡大した。


去年の秋口くらいより不動産会社の倒産が目立ち始め、今年に入り上場クラスの大型倒産が出始めた。今回の2件も同様の流れのように思うが、ゼファーやアーバンコーポレイションとは少し違うような感じを受ける。

どの会社もマンションや戸建の分譲事業で大きくなった会社だが、ゼファーやアーバンコーポレイションは、規模が大きくなり、時勢が地価上昇(バブル)の様相になるにつれ、不動産の転売益を主力にするようになった。

しかし、今回の2件(創建ホームズ、セボン)は、同様の不動産転売も行っていたのかもしれないが、不動産の分譲事業を主力にしていた。前記2社はサブプライムローン問題によるファンドの資金が流入しなくなったのに比べ、今回の2社は販売不振による銀行からの資金引き上げが影響した。

不動産市況が悪化したことによる倒産ラッシュだが、その背景には違いがある。今回の販売不振は、人口減・ストックの増加など、分譲事業環境の構造的なものであり、不動産事業のあり方そのものを考えていかなければならない。

購入者側としては、アフターサービスなどの保証的な部分をより考えておきたいものである。

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2008年08月26日

瑕疵担保責任とは

瑕疵担保責任という言葉は、不動産や住宅に関わる取引で使われることがほとんどだが、瑕疵担保責任そのものは民法で規定されたもので、不動産・住宅に限られたものではない。

第570条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

第566条要約:買主は売主に対し、契約の目的が達せられない場合は契約の解除(契約が解除できない場合は損害賠償のみ)、または、損害賠償や代金減額の請求ができる。ただし、瑕疵の事実を知ってから1年以内に行使しなければならない。

※新築住宅は住宅品質確保促進法や住宅瑕疵担保履行法、事業者が売主の場合は消費者契約法など、民法外の規定もある。

隠れた瑕疵とは、その瑕疵を知らず、通常払われる注意では知ることを得ない瑕疵であり、瑕疵を知っていた、普通の注意を持っていれば知り得た場合は、瑕疵担保責任は生じません。

この瑕疵には、性能や形、数量などの物理的な瑕疵の他、法律的な制約で目的が達せられないという法律的瑕疵や、事件事故などの心理的瑕疵も含まれます。

規定では、上記のような瑕疵で契約の目的が達せられない場合は契約の解除ができるとなっております。“目的が達せられない”と限定しておりますので、修理等で対応できれば解除はできません。この契約した目的は、相手方に明示しておく必要はなく、目的物の一般的な目的であれば足ります。

契約の解除となった場合、代金と目的物を返還し合い、この契約で損害が生じていれば賠償を請求することができます。(民法545条)

損害賠償は、瑕疵の部分(及び実害?)までであり、目的物全体に対して、それから受けられる利益までは認められない。これが買えたらこんなに良かったのに、というのはダメということ。

一般的には金銭でのやり取りで行われることが多いと思われるが、瑕疵を修復するということで結果的に損害を賠償したということにもなります。

この瑕疵担保責任を負うか負わないか、負うとしても規定ではなく別途期間を定めることもできます。ただし、売主が不動産業者の場合、宅建業法で定められた期間(2年)より短くすることは無効です。

また、瑕疵担保について売主が知っていて隠していた場合は、免責にはならず、責任が生じます。さらに、それを捻じ曲げて(嘘)伝えた場合は、詐欺になります。※詐欺行為で契約してしまった場合は、契約の解除・損害賠償請求ができます。(民法96条)

≪瑕疵担保実例≫
・擁壁に耐力上の問題があった
・山林が保安林で利用に制限があった
・がけ条例に抵触することが分かった
・マンションパンフの眺望や日照の抽象的な性能・・非該当
・高性能サッシでの具体的な防音性能
・買主が知り得たが、悪意はなく、かつ、重大な瑕疵
・地中埋設物(ただし過大な費用)
・日照目的の購入、売主の間違った説明・・瑕疵ではないが錯誤で解除
・本件建物内での自殺
・道路向かいに暴力団事務所(同じマンション内でも同様)
・取壊し予定の違反建築の建物・・非該当
・解体した建物での自殺があった土地・・非該当(要件や事情も考慮)
・上記と同じだが殺人事件があった土地・・該当
・建物内にコウモリが棲息していた

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2008年08月25日

買主の債務

債務というと借金というようなイメージがあり、心証を害する方もいらっしゃるかもしれませんが、ある者が他の者に対して一定の行為をすること義務をいい、売買契約の場合、買主は代金支払いの義務(債務)があり、売主は不動産引渡しの義務(債務)があります。

売主は不動産を引き渡すに際し、いろいろとやるべきことがありますが、買主は代金の支払い義務ただ一つと言っても過言ではありません。契約後に買主がすべきことは、代金支払いの準備をするのみです。

現金で購入される方もおりますが、大半の方が住宅ローンなどを利用して購入することから、代金支払いの準備≒住宅ローン手続きとなります。

住宅ローンの手続きは、審査と金銭消費貸借契約が代表的なものであり、この手続きを契約で定められた期間内に行います。住宅ローンを利用した購入の場合、いわゆるローン特約が付されることがほとんどです。この特約には期限が設けられていますので、この期限内に行う必要があります。

これらの手続きにより代金支払いの準備が整い、また、売主側の不動産引渡しの準備が整い次第、不動産取引(代金支払い、引渡し、登記手続きなど)が行われます。

買主の代金支払いという債務は、売主の不動産引渡し・登記手続きと同時履行の原則があり、売主が債務・義務を履行しない限り、買主の債務を履行(代金支払い)をする必要はなく、債務不履行にはなりません。

※引渡し猶予など契約時に特別な定めがある場合は除く

もし、このまま売主が債務を履行せず、その間に第三者へ売却したり賃貸したら、目的の不動産が購入できないのはもちろんのこと、先に支払った手付金などの問題も出てきます。

この場合、買主は代金の支払う準備は整えつつ(準備を止めてはダメ)、売主側へ引き渡しを求め、最悪の場合、処分禁止や占有禁止などの仮処分手続きをして、損害を被る危険を回避しなければなりません。

この後、買主としてどうしていくかは、このままこの不動産を購入したいのか、契約を解除したいのかにより対応は変わります。

このまま購入したいのであれば、代金を供託することにより、代金の支払いをした(買主の債務を履行した)ことになり、引渡しと所有権移転登記を請求する(訴訟や強制執行)ことができます。

契約を解除したい場合は、契約条項の違約解約になり、手付金の返還と損害賠償(契約書に予め定めがあればその違約金)を請求することができます。

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共有不動産の購入

土地や建物を複数人で共有している場合、売主の全員の承諾と意思の下に行われているのかどうかというのが最大のポイントになります。

民法の規定(第251条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。)では、共有の場合、所有者全員の承諾なくして変更はできないとなっており、この変更という言葉には、処分・売却という行為も含まれます。

ただし、所有者の持分のみを処分・売却する場合は、その所有者単独でも可能です。その場合、購入した人は、その不動産を利用するにあたり、何かしらの変更(土地購入なら建築)をする際、所有者全員の承諾が必要となることから、購入した不動産を完全に利用することはできなくなります。

私道などでは、その土地を共有で所有する形態もありますが、この場合は道路などの形質の変更をすることなく利用するので、差し障りはありません。(逆に形質の変更を制限させることができる)

不動産取引の場面では、共有不動産の一部の人が任されているからと代表して取引に臨むことがあります。この場合、その代表者が他の所有者から有効な権限を授けられているのか(代理権)を確認する必要がございます。

一般的には、実印押印の委任状と印鑑証明書の提示を受けて確認します。さらに共有者全員へ直接意思確認が出来ればベストですが、現実的には、買主が売主の共有者全員に直接意思確認するのは難しい。この部分を不動産取引に関わる不動産会社が行うことになります。

また、不動産売買契約後、不動産取引・登記手続きに至った際、不動産会社に加え、登記を担当する司法書士により、事前に、共有者全員と直接会い、面前での意思確認と登記手続きを行います。

もし、この手続きのどこかに不備があり、契約後、共有者から不同意になった場合、不動産会社や司法書士は、かなり重たい処罰が下ることになります。

共有者の意思確認は基本中の基本であり、悪意がなければ不動産会社側で抜かることはないと思われますが、買主側は、不動産会社に、大丈夫ですよねと確認してみるとより良い。

できれば、共有者全員が契約時・決済時に立会うことが望ましいが、もし、誰か代表で代理してくる場合、意思確認の点に注意することがポイントになる。

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2008年08月24日

売買契約書の記載内容

契約は、当事者間の申込みと承諾という二つの意思表示の合致によって成立するのが民法での原則である。例えば、売り手が買い手に対して「これを売ります」と言うのに対して買い手が「それを買います」と言えば両者の間で売買契約が成立する。

しかし、その場であっさり完結する取引ならばいざ知らず、契約締結から履行まで時間も掛かり、かつ、高額な取引になること、当事者にとって稀な取引で不慣れなこと、などから契約書を作成することが一般的である。

なお、口頭では言った言ってないという水掛け論になるため、トラブル防止の目的で契約書を作成するのであり、契約書を作成しないことが契約そのものがないということにはならない。

ただし、宅地建物取引業者(不動産会社)は、契約が締結された際、書面(≒売買契約書)を交付しなければならず、かつ、宅地建物取引主任者が記名押印をしなければならないと定められている。(宅地建物取引業法第37条)

※契約の有効性に書面の有無は問われないが、書面なく不動産の契約をした場合で宅地建物取引業者が関与する場合、宅地建物取引業者が宅地建物取引業法違反として処罰される。

同法同条には、同書面に記載すべき最低限の内容も定めており、ここで定められている事項が、売買契約書の基本的な事項になっている。

≪宅地建物取引業法第37条≫
1.当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所
2.当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
3.代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法
4.宅地又は建物の引渡しの時期
5.移転登記の申請の時期
6.代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
7.契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8.損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
9.代金又は交換差金についての金銭の貸借のあつせんに関する定めがある場合においては、当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
10.天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
11.当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容
12.当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容

1.の当事者については、契約による権利と義務が誰に及ぶかを特定しないとならない。例えば、他人が所有する不動産を売主となって契約を締結することができ、所有者=売主とはならないこともある。

2.の不動産特定は当然のこととして、対象になる不動産を特定しなければ契約そのものが成立しない。また、特定する方法も記載します。例えば、地積について、公簿売買なのか実測売買なのかなど。

3.売買契約が成立すると買主は代金の支払い義務が生じる。この代金に関して、金額の記載は当然のこと、支払いをする時期やその手段について記載しなければならない。記載しないといつまでも支払いを行わないということになってしまう。

4及び5.上記と同様に、売買契約が成立すると売主は不動産の引渡しの義務が生じる。この時期や方法について記載がないと上記と同じく引渡がいつまでも受けられないというようなことになってしまう。

3と4と5.は双方に不公平がないよう、不動産の引渡しと所有権の移転手続きと代金の支払いは同時期にするケースが多い。例外に双方の事情で引渡しや代金の支払い猶予をする場合もある。法律の定めはなく、どのようにしても当事者が合意すればよい。

6.の代金以外の金銭の授受に関しては、主に手付金の受け渡しに関してになる。固定資産税等のことに関しては12.として別記。手付金は代金の一部になることも併せて記載されていることを確認。

7から11.では、主に解除に関して、どのような取り扱いになるか記載される。手付解除、違約解除、ローン特約による解除、危険負担、瑕疵担保など。また、違約解除に関して違約金の定めを8.にて記載する。

上記が宅地建物取引業法で定められた事項であるが、この他にトラブル防止のため記載する内容として、契約費用や印紙税の負担についてやトラブルになった際の管轄裁判所などが記載される。

ここまでがどの取引でも記載される主な内容だが、個々の取引において、特別な定めや約束をする内容について、特約として記載される。

契約書面で大事なことは、記載されていないことを、後から主張することはできないことから、約束したことに関して、きっちり記載すること。しかも、曖昧な表現ではなく、誰が読んでも明確に分かるようにすることです。

先日、同業での勉強会で、売買契約に関しての項目がございました。半端な知識やほとんど本質を理解していない営業担当が非常に多いことに驚き、これならトラブルも多いな、と変な納得をしてしまいました。

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2008年08月18日

2008年度末期限の住宅税制

年内の入居で期限切れを迎える住宅ローン減税が延長されるかどうかという話題が出ておりますが、この“年内”という期限は所得税が暦年課税のためであり、この他の税は年度末にて切り替えられます。

住宅ローン減税は延長気配が強くなっておりますが、この他の税制に関しての動きは見えておらず、注目度も低いことから、そのまま期限切れになる可能性もあります。

住宅ローン減税に間に合うかどうかの期限ギリギリに駆け込みで動かれた方も多いが、税制の期限で慌ててバタバタするのはお勧めできません。今年度末が期限の税制を改めてチェックしておきます。

・印紙税

不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置として、1,000〜5,000万円の場合、2万円→1.5万円、5,000万〜1億円の場合、6万円→4.5万円に軽減。

・登録免許税

1)住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減として1000分の4→1000分の1.5に軽減。

2)住宅用家屋の所有権の移転登記の税率の軽減として1000分の20→1000分の3に軽減。

3)住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減として1000分の4→1000分の1に軽減。

・不動産取得税

1)住宅や土地の税率の軽減として4%→3%に軽減。

2)住宅用の土地を取得した際の算定の基準となる評価額の軽減として2分の1に軽減。

これらの軽減措置が延長になるのか、このまま打ち切りになるのが見えるのは、早くて今年秋の来年度税制について案が出てくる時、遅いと来年の予算編成時期になります。

税制の期限内で購入することが目的ではなく、購入して快適に生活することが目的になる。使えるなら優遇を利用し負担を軽減することは大事であるが、快適に生活ができるかどうかの検証する時間を持たずに、期限ばかり気にするのは本末転倒な話である。

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住宅ローン減税・国交省方針

先日、今年末の入居で打ち切られる住宅ローン減税の延長が検討される動きがあると一報しましたが、その具体的な国土交通省の方針が日本経済新聞に掲載されましたので、ご紹介させて頂きます。

≪日本経済新聞 8月16日朝刊≫

 国土交通省は2009年度の税制改正で財務省に住宅ローン減税の拡充を要望する方針を固めた。断熱材が厚いなど省エネ性能の高い住宅や長期間住める優良な「200年住宅」、2世帯住宅を対象に税優遇を新設。こうした住宅を買った人の住宅ローンについて、所得税の控除対象となる借入限度額を現行の一般住宅向けの2000万円より広げるのが柱。購入にあたっての消費者の負担を軽減し、冷え込む住宅市場をてこ入れする狙いだ。

◇国土交通省方針抜粋

・09年度で期限が切れる現行の住宅ローン減税を5年間延長
・省エネ住宅や200年住宅を対象とした対象額の拡大
・所得税で控除しきれない場合に住民税も対象
・優良住宅取得で住宅ローン未利用者を対象にした費用の控除新設

◇財務省見解

・優良住宅への住宅ローン減税には理解
・対象額の拡大へは慎重
・優良住宅は拡充、一般住宅は縮小

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国土交通省の方針は、景気対策(来年の選挙対策)になり、省エネ住宅はもちろんのこと、200年住宅も建て替えによる廃材現象で地球温暖化・環境対策にもなることから、政府・与党も反対はないと思われ、財務省が理解を示していることから、何かしらの措置は取られるのではないかと思われる。

今回の方針は、増税の方向にある中、ここまで減税方向で打ち出されたのかと、ちょっと驚くくらいでした。

環境対策や福田総理の重点項目という御旗があるので、省エネ住宅や200年住宅という優良住宅系の減税はそれなりに期待できるかもしれないが、一般住宅系は、よくて現行の延長までではないかと予想される。

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2008年08月11日

“日本版サブプライム危機”より

ソフトバンク新書より、石川和夫氏(新日本パブリック・アフェアーズ上級執行役員)、生駒雅氏(エス・ピー・シー・コンサルティング取締役社長)、冨田清行氏(新日本パブリック・アフェアーズ シニア・コンサルタント)の共著により、アメリカで起きたサブプライムローン問題が日本でも起きようとしている危機を警告した“日本版サブプライム危機”が発刊されました。

同書は、バブル経済崩壊後、国の経済政策として行われた旧住宅金融公庫による住宅ローンの融資が、アメリカで起きたサブプライムローン問題と同じく、日本版のサブプライムローン問題を引き起こすと論じています。

なぜ、旧住宅金融公庫の融資が問題を引き起こすのか。それは、ゆとり償還(ゆとり返済)の設定、返済比率の引き下げ、融資限度割合の撤廃、金利の引き下げ、年収制限の緩和などにより、住宅を購入しやすくするための融資条件緩和により、本来は住宅ローンを組めない、家を買えない人にまで、過剰融資(貸し込み)をしたことにあると。

この過剰融資で特に問題なのは、ゆとり償還の“ゆとり”期限が切れることで返済額が一気に上昇することにより、家計・返済が圧迫する。これに物価高や収入の伸び悩みなども加わり、住宅ローンの破綻が急増する。これが日本版のサブプライムローン問題になる。

この問題は、政府が経済政策を優先させたことにあり、国の経済政策に協力させられた責任を国民に押し付けたところに原因があり、住宅ローン破綻で住宅を取られてしまう住宅難民に対して、政府は対策を講じなければならないと警告しております。

以上、同書序章より。この問題の背景や不動産購入・住宅ローンの借入への対応、住宅ローン破綻への対処などについて詳しくは同書をお読み下さい。

実際に旧住宅金融公庫のゆとり返済(不動産屋の実務としてはこの表現の方が馴染みやすい)を利用して住宅を購入した方がこの問題に直面したとき、まずは借り換えを検討してみるといいでしょう。

現在、民間金融機関による住宅ローンはかなり多彩な商品があり、低金利で利用できるものも多い。金融機関でも旧住宅金融公庫を利用している人の借り換えを積極的に取り組んでいます。

購入した時から不動産評価額が下がったとしても、借り換えの方には現在の不動産評価額よりかなり多い額まで融資範囲として設定していることが、金融機関の意欲を物語っています。

ただし、今までの返済状況や現在の収入状況などは見られてしまうので、この点に支障がある場合は難しいかもしれません。

この場合はダメになるまでもがき最悪な状況になってから動くのではなく、早めの段階から、旧住宅金融公庫から衣替えした住宅金融支援機構に相談してください。

住宅金融支援機構では、返済方法の見直しを受け付けると公式に明示しております。※事実上、旧住宅金融公庫の融資は間違っていたと認めている。

国の政策、旧住宅金融公庫を含めた金融機関、不動産業界のどれもが、目先・自社自行の利益しか見てこなかったことに大きな問題があったのかもしれません。

しかし、安易に広告へ食らいついてしまい、最終的な決断をした借りた方の自己責任もあると思います。未熟なのがいけないのではありません。未熟なのにいきなり飛び込んで不動産探しをする順番が間違っているのです。

もし、販売側に責任があったとしても、ツケを背負わされ実際に困るのは消費者です。今後、同じようなことにならないために、具体的な住まい探しをする前に、客観的なプロに相談してから動くことをお勧めします。※知人友人ご親戚の方も経験値のアドバイスはできるかもしれませんが、プロほど視野は広くなく、偏った知識と経験での狭い視野になると思います。

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NO.77-2:相次ぐ不動産関連会社の倒産、優良ストック住宅推進協議会

◆相次ぐ不動産関連会社の倒産

先月半ば、東証一部上場の新興中堅マンション分譲会社であるゼファーが倒産(民事再生法申請)した。この他にもマンション建築を中心に請け負っていた中堅建築会社の三平建設など、不動産・建設関連の会社の倒産が相次いでいる。

倒産の直接の要因は、供給増、需要減少、地価高騰による仕入れ価格上昇などの下地が悪い中で、サブプライムローン問題によるファンド資金の絞込みが資金繰り悪化によるもの。

しかし、人口減少、世帯減の社会情勢に加え、今までの住宅ストックなどから、不動産市場の需給悪化は目に見えていたこと。先月末時点では1万戸超の新築在庫がある。その大きな流れがあるにも関わらず、マンション分譲業者が乱立し供給を増やせば、脱落業者が出てくることは分かりきっていた。

大手分譲会社でも、家電量販店のような“在庫一斉値下げ”を実施した。個別での値下げは、かなり昔から当然のように行われていたが、一斉値下げ、しかも目立つように告知宣伝するのは異例中の異例。

この流れは、金融市場の資金需給や資材・地価の下落などという相場的な状況で変わるものではなく、社会全体の状況から方向性は変わらないものと思われる。

さらに、新築分野だけではなく、何十年と供給され続けてきた中古マンションのストックもあり、分譲業者側から見た需給関係はさらに厳しいものになる。

このような中で購入者はどのように選んでいけば良いのか。

新築の場合、保証・アフターなどの受けやすさが中古では得られない良さである。しかし、制度しては対応できても、やはり、分譲業者が健全に事業を続けていることが望ましい。分譲業者の財務内容を見抜くのは専門的な方でないと難しいかもしれないが、私の判断材料は、マンション事業に専念しているかどうかを見ている。

今回のゼファーの場合、マンションやビルを建て、ファンドに売却して収益を上げていた。資金を回していかなければならないこと、社員や関連会社を抱えているため止まることができないことなどから、自転車操業的に資金を回し拡大路線にせざる負えなかったのだと思われる。

拡大路線に走らず、地道にコツコツとマンション事業に専念している会社の方が、資金供給の状況に左右されづらいのではないか。得てして、このような地道な会社の方が、マンションそのものも良いものを作っているようにも思える。

ファンドの資金供給縮小という直撃弾を受けたため、マンション分野の会社から倒産は始まったが、地価高騰、資材高騰、購入側の資金力低下、住宅ストックの増加など、一戸建て分野でも、近い将来に同じような状況が出てくると思われる。

このような状況は、今までの住まい探しや住宅への意識・考え方のターニングポイントになるのではないか、不動産購入のお手伝いをする現場の感覚だけだが、大きな流れが変わりつつあるように感じている。

◆優良ストック住宅推進協議会

大手ハウスメーカー9社が、中古住宅の流通市場の整備と活性化を目指した“優良ストック住宅推進協議会”を設立させた。

この協議会の目的は、現在の中古住宅流通市場では、20年足らずで価値がゼロとされる住宅を、きちんとした点検と手入れをした住宅に対して価値を評価するようにし、住み継がれる住宅を普及させ、社会ストックの充実を図り、さらに、消費者の資産形成と住居費負担の軽減をすることにより、より良い住宅市場と環境を作るものにある。

参加企業としては、品質の高い建物と充実したアフターサポートのために初期コストが高くなる部分を資産価値として維持することでカバーすることにより、住宅事情の向上と商機を拡がることの、消費者と供給者の両方にとって良い仕組みとなる。

実際には、協議会が優良と認めた住宅を“スムストック”というブランドとして形成する。スムストックになれば、それ以外の住宅よりも高く長く評価され、その分、初期コストの高さをカバーする。

スムストックになるには、住宅履歴データを備え、建築後50年以上にわたる点検・補修を行う制度があり、それを実施していることなどを条件となる。

建物価格の査定は、再調達価格をベースに、スケルトン(構造部)とインフィル(内部)に分け、償却期間(50年と15年)と残価(10%)にリフォームや維持管理状態などを加減して算出する。

この査定をするのは、各ハウスメーカーの建物について造詣が深く、建物の維持管理や建築時から現状まで把握できる各ハウスメーカーの関連不動産会社の担当者となり、同協議会が定めた研修を受講し一定レベルに達する必要がある。

この仕組みは、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)が先駆的に取り組んでおり、ほぼその内容を準じている。同社は全く問題ないだろうが、他のハウスメーカーがどこまでついてこれるのか、ここがこの制度の普及のポイントになる。もし、ついてこられず落ちてしまうような会社であれば、会社としても建物としてもそこまでという烙印が付いてしまい、他社と差別化されてしまう。

また、ハウスメーカー以外の建築会社による建物や建売住宅などは、この時点で差別化されてしまっており、この制度が認知される(消費者が気づいてしまう)と、販売に大きく影響が出る。

住生活基本法で打ち出された200年住宅とも関連する中古住宅流通市場の整備、家の履歴書とも共通することであり、この制度は大手ハウスメーカー以外の中古住宅にも拡がってもらいたい。

個人向けの不動産コンサルティングで最大手のさくら事務所の長嶋会長も、今後、中古住宅の流通が拡大することは間違いなく、その会社が供給した中古物件を買いたいというニーズは増え、それに対応できる供給能力が必要であると指摘している。

今の時点で普及していなくても、これから購入する人は、売却するとしたら、10年後、20年後になるので、この制度を踏まえて購入することは、これからの見えない世の中へのリスク対応として必要となる。

≪平成20年8月10日発行≫ その他のバックナンバーはこちらへ
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NO.77-1:リノベーション住宅、住宅ローン減税延長?

◆リノベーション住宅

リノベーション(renovation)を直訳すると“刷新、改善”、これに住宅という言葉がつくと、既存の住宅を大規模な改装を施し、機能や性能の向上と価値を上げることをいう。

さて、このリノベーション住宅だが、福田総理が打ち出した住生活基本法・200年住宅でも大事な骨格となる中古住宅流通の整備と促進を大きく進めると期待され、そこにビジネスチャンスを得ようと不動産・住宅業界が積極的に取り組み始めている。実際、政府では2015年度までに中古住宅流通量を2003年度より10%以上高めようと目標設定をしている。

今までの日本の住宅市場は、短期間サイクルでのスクラップアンドビルドが中心となっており、新築と中古のバランスが諸外国に比べ、格段と新築の割合が高い。これは、環境にも良くないもので、高額な消費となることから住宅取得者の家計負担増加・資産形成の足かせにもなっている。

中古住宅の評価が高く見られれば、資産にもなり、それが後々家計負担、将来的には老後の資金確保にも繋がる。当然、建物が解体されずにそのまま利用されれば環境面にもプラスになる。

このように中古住宅の市場が整備され活性化してくると、日本の住宅事情にかなり好影響を与えられる。しかし、リノベーション住宅が有力で強力な存在であるものの、表には裏がある通り、問題点もある。

リノベーション住宅の根本は、不動産・住宅会社による買取での再販売になること。商売として考えると、リノベーション・リフォームして、販売経費をかけ、長期間の保証リスクを踏まえた利益を取って売却するとなると、買い取る価格をかなり抑えないといけない。

買い取る価格が抑えられれば、売却する住宅の所有者の資産や家計にも影響してくる。できれば、中古住宅市場へ直接売却することができれば、ある程度の経費が掛かったとしても、売主にとっては良い結果になる。

リノベーション住宅も必要であり、中古住宅市場活性化を促進する大きな力となるのは間違いない。ただ、それと同時に市場での売却環境の整備も求めたい。

現在の中古住宅流通に必要なのは、一般人の売主が購入者に安心できるような取り組みに積極的な理解と行動をすることであり、それをバックアップする不動産会社の取り組み。

売主の素直な気持ちとして、なるべく手間と費用は抑えたいというのは致し方ない。そこを、きちんと説明して納得してもらう担当者の技量と意識。売主の御用聞き、言うがままという感じで、不動産業界側が安易な方向へと逃げてしまってはダメ。業界側が中古住宅市場を整備し活性化させるぞという意識で団結できるか、そのように行政が仕向けられるかがキーになると思われる。

そして、今から新築住宅と購入する方へのアドバイスは、今後、中古住宅になった時の価値が高く維持できるような建物にすること。中古住宅の取引をお手伝いしていて、とても実感します。

(住宅新報08/07/22号参照)

◆住宅ローン減税延長?

(平成20年8月1日・朝日新聞)

 財務省と国土交通省は、今年末に期限を迎える住宅ローン減税を、来年以降も継続する検討に入った。住宅需要の低迷が続くなか、減税を打ち切ると景気に悪い影響を与えかねないと判断した。今後、減税の規模や適用条件などを詰める。今年末の税制改正の焦点になりそうだ。

 景気の「後退局面入り」も指摘されるなか、国交省は減税が住宅購入を下支えしてきたとして、打ち切りは避けたい考え。09年度の税制改正に向けて今年8月末に提出する税制改正要望に、制度の継続と一部拡充を盛り込む。

 さらに与党にも、来年9月までに実施される総選挙を前に「減税の打ち切りで景気減速や景気後退を加速させた」との批判を避けたい思惑がある。自民党税調幹部は「住宅ローン減税継続は重要な検討課題だ」として秋以降の税制改正で議論する考えだ。

今年度での住宅ローン減税打ち切りということで、土地を購入して新築する人にとって、今年前半が土地を購入するリミットとなり、駆け込みで購入する人が大勢になった。(建売や中古は秋がリミット)

しかし、内容は別としても延長されるのであれば、駆け込みで慌てて購入する必要もなく、またしても、行き当たりばったりの政治に振り回されたことになる。いい加減、場当たり的な時限措置のような政策は止めて欲しい。

住宅ローン減税、延長してもらえるのならそれに越したことはないが、できれば期限無しの長期的なものにしてもらいたい。税制などの要因で不動産市場に影響を与えるのは極力さけてもらいたい。需給や社会的な要因など、ある程度、自然の流れで相場が決まるようにしてもらいたい。

この際、できれば、これから住宅ローンを組む方に加え、今まで住宅ローンを組んだ方・今まさに返済している方までも対象にした“住宅ローン控除”を恒久的な制度として取り入れてもらいたい。

私が考える住宅ローン控除とは、単純に自宅のための住宅ローンで支払った利息を所得控除するもの。仮に3,000万円の年3%で年間90万円の所得控除となり、税率10%なら年9万円の減税。(分かりやすくするための計算)

一家庭ごとの減税幅は現在の住宅ローン減税よりも少なくなるが、当初10年間に限るという期限をなくし、支払っている間全期間控除となれば総額は変わらないか多くなるのではないか。

これから住宅ローンを組む方≒これから不動産を購入する方だけを対象にした税制よりも、住宅ローンを組んでいる方全体を対象にした方が、景気対策にもなるし、ガソリンや物価の上昇に痛めつけられた家計の助けになる。

この提案は、総減税額が大きいので、絶対に採用されないとは思いますが。ある程度の所得金額でカットする(年間所得1,000万円以上は適用外)、優良住宅(それこそ福田総理が主導している200年住宅)のみを対象とするということでもいいのではないかな。

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2008年08月10日

収益マイホーム

プレジデント誌の特集“お金の常識60”に「タダで100平米の自宅を手に入れる裏技、教えます」として収益マイホーム(自宅+賃貸住宅)が取り上げられました。

自宅の一部を賃貸とした併用住宅では、賃貸部分の収入を住宅ローンの返済に充て負担を軽減しようというものである。自宅が中心であれば住宅ローンの利用も可能であり、各種税金の軽減の対象にもなる。

日本に不動産投資ブームを作った“金持ち父さん”では、自宅は何も生まれない負債であり、自宅のために借金することに否定的な見解である。消費として資金を充てていては資産は形成できないと。

これが賃貸併用住宅であれば、住宅ローンも資産形成のための借金であり、家賃収入の分だけ、資産形成になると考えられる。もし、住宅ローンの返済分が家賃収入で賄えれば、冒頭に記載したタダで自宅が手に入るということになる。

同誌で紹介されたモデルケースでは、土地90平米・建物100平米の総費用が3,000万円、同額を住宅ローンで借りると月々の返済は9万円強、自宅面積は過半超のため50平米超・賃貸部は50平米弱で1R3室×家賃5万円で賃貸収入15万円、固定資産税や修繕費をみたとしてもおつりがくるとしており、空室を考慮しても大丈夫としている。

このケースを検証してみたい。50平米弱で3室ということは1室あたり15平米ちょっと、これで家賃5万円という設定ということは、かなり都会の立地である。弊社がある柏では、おそらく3〜4万円がいいところではないか。

もし、柏で上記設定の家賃が取れる立地で土地を購入しようとすると、坪単価70万円はする。90平米(27坪)の土地なら約1,900万円、購入諸費用を入れると2,000万円近くになる。この場合、建物の予算は1,000万円となり、どんな建物が建つのか?

建物について100平米(30坪)を新築した場合、木造の廉価仕様でも坪単価60万円すれば約1,800万円、併用住宅の場合、設備が増えることなどから単価は上がると思われ、その他諸費用も入れれば最低でも2,000万円は掛かる。この場合、土地の予算は1,000万円となり、どんな土地になるのか?

上記の検証した試算でも少し甘めにしてみたもので、現実的にはもっと予算が必要になるであろう。また、自宅としての希望や満足度が上記の例でどこまで満たされるのかが疑問である。

自宅部分の建物は50平米ちょっととして、間取りは2DKか2LDK。この広さの自宅を果たして満足できるのか。マンションでも80平米超、一戸建てなら100平米程度は欲しいというのが、今の購入層の希望ではないか。

また、安定した収入が見込める都市部で1,000〜2,000万円の土地で利便性や生活環境が希望を満たせるのか、しかも90平米(27坪)の広さも満足できるのか、これも現実に購入のお手伝いをしていて疑問に思う。

収益マイホーム、賃貸併用住宅という発想を決して否定しているわけではない。そうはうまい話はないということ、甘い試算で安易に乗らないように。

タダというのは厳しいのではないか、ある程度の負担は計算すること。どちらかといえば、土地からの購入ではなく、高度成長期にマイホームを購入して、建て替えを検討する方にとって良いのではないか。

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posted by preseek_shibata at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月08日

守秘義務VS告知義務

◆守秘義務

不動産業者及びその社員は、業務で知り得た事柄を外部に漏らしてはいけません。これを守秘義務といい、不動産業だけでなく、医者や弁護士なども含め、当然のことです。

また、近年、個人情報保護法が施行され、生存する個人に関する情報(識別可能情報)を、利用目的をできる限り特定し、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えた個人情報の取扱いの原則禁止とされました。

このように、依頼人に関わる事柄などを外部に漏らしてはならない(不正利用)となっております。

宅地建物取引業法:第45条 宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。

宅地建物取引業法:第75条の2 宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業者の使用人その他の従業者でなくなつた後であつても、また同様とする。


◆告知義務

宅地建物取引業者は、契約締結に関わる重要なことは事実を隠してはならないとされています。取引をするにあたり、大事なことを知らずに契約してしまう、なんて許されるわけもなく、これも当然のことです。これを告知義務と言います。

宅地建物取引業法:第47条 宅地建物取引業者は、その業務に関して、相手方等に対し、契約の締結について勧誘をするに際し、同法35条(重要事項説明)で規定された事柄のほか、所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるものについて、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。(一部略)


◇検証

では、この守秘義務と告知義務がぶつかってしまった場合、どうなるのでしょうか。片一方では事実を漏らしてはいけないと口止めをし、もう一方では事実を伝えなければならないとしています。

結論からお話しますと、告知義務は守秘義務に優先します。守秘義務は、無制限に課せられるものではなく、正当な事由がある場合には、仕方ないと守秘義務を解除しているからです。

正当な事由とは、裁判などの証言や本人の承諾の他、不動産会社が取引の相手方に説明義務がある場合も含まれます。

もちろん、取引には関係ない人への告知義務はなく、当然、守秘義務は守られます。なので、不特定多数に告知するような広告では規制されます。但し、具体的な内容は別としても、契約前の検討段階からその事実を知り得た方がよいとも判断される場合もあり、どこまで伝えるかは社会通念上の常識の範囲で判断されますが、やんわりと伝えられることもあります。

告知義務は、不動産に関わる事柄で売主側から買主側というケースが多くなります。例えば、建物に欠陥がある、過去に事件があった、など。しかし、業法では“関係者の資力および信用”という規定もあり、特に住宅ローンを組む場合、必要最低限の範囲で伝えられることもあります。このような事柄を必要以上に隠してしまうことが認められると、相手方が多大な損害を被る恐れがあり、不動産取引という行為そのものが成り立たなくなる。

よって、取引の関係者に限り、かつ、取引に関係することについて、守秘義務よりも告知義務が優先されることになります。このあたりのさじ加減というか、どこまで伝えるか、どこまで察して聞き取れるか、取引に関わる不動産業者や担当者は大きな役割を担っており、依頼される方は見極めが大事になります。

注:相手方のことを何でもかんでも聞けるということではないので、権利を主張し過ぎると反撃されます。あくまでも常識の範囲で。

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posted by preseek_shibata at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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