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2009年07月05日

住み替えにおける不動産売却

ここ最近、自宅を売却して新しく住まいを購入しようという方の相談が増加しております。リーマン・ショック以後の景気後退などによる経済的な事情により売却する方が増加していると聞くことも多いのですが、弊社の場合、住宅購入を中心に業務を行っていることから、売却する理由としては経済的な事情による売却ではなく、住まいへの不満や生活スタイルの変化などによる理由によるものです。

現在暮らしている自宅に住宅ローンの残債がなければ、通常の購入と同様の手順で進め、購入後に自宅を売却するのか賃貸にするのかなどの処理を考えればよいのですが、住宅ローンの残債が残っている場合、資金計画などを入念に打ち合わせしていく必要があります。

不動産売却を不動産会社に依頼する際、宅地建物取引業法の規定に基づく媒介契約を締結することになります。

(媒介契約)
第34条の2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。以下略

この媒介契約を結ぶ前に、不動産会社による基礎的調査が行われ、また、売り主から不動産状況の聞き取り、引き渡し条件などの確認のうえ、売却予定価格の査定が提示されます。

この査定額は、行政や業界側の指針などにより機械的に行われれば、どの会社の最低額も、ある程度の幅の中に収まりますが、そこに会社や担当者の思惑などが入ると、査定額にかなりの乖離が出ることもあります。

例えば、同じ住宅にも関わらず、A社3,000万円、B社4,000万円、C社3,000〜3,500万円に分かれた場合、それぞれの会社による思惑は、A社は売却後の次の流れもあるため確実なラインで提示しよう、B社は依頼を受けて自分の成績が確保されればよく価格は後から値下げさせよう、C社は現状の市場や売り主の希望などから複数の提案をしよう、など。

単純な売却だけなら、高めの金額からスタートし市場を見ながら価格を変更していくという手法でも間違いではありませんが、その後の住宅購入を考えると、査定額だけをみて判断できません。

不動産売却と住宅購入という全体の資金計画を立て、そのなかで売却金額と売却の手順を考えていき、依頼する会社と依頼形態を決めます。

売却の依頼後、不動産会社による販売活動で購入希望者が現れた際、売却条件などの最終打ち合わせをします。この際、不動産が下落局面である場合は必要以上に粘るとさらなる状況悪化などによりチャンスを逃すこともあります。

売却の最終条件を決める際に大事な確認ポイントは、売却にかかる諸費用の金額と手元に残る金額についてです。売却時にかかる主な諸費用は、印紙税、測量,境界確認費用、抵当権抹消などの登記費用、住宅ローン返済の残金額と諸費用、依頼した不動産会社に支払う仲介手数料、譲渡税(利益が出た場合)、引き渡し条件に伴う費用など。さらに、売却に伴う引っ越しなどの費用もかかります。

いくらで売れたかということも大事ですが、どのくらいの金額が手元に残り、次の住宅購入にどのような影響があるのかということも含めた総括的な判断が必要となります。

このことは、売却に入る前までに不動産会社としっかり打ち合わせをしていかなければなりません。

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2009年07月03日

6月危機(ショック)

「ボーナスが想定の半分しか出ず住宅ローンが返せなくなった」「妻のパート先が倒産した」など、景気悪化に伴う収入減少により住宅ローンの返済に行き詰まるケースが増加し、社会問題化しそうな恐れが“6月危機(ショック)”と呼ばれている。

私が今までお手伝いした方で、このような状態まで至ってしまったという話は幸いにも出ていないが、購入を検討していた方が想定以上のボーナス額減少で購入を見送ることにしたというケースはあった。

6月に危機がくるのは、住宅ローンやクレジットなどの返済をボーナス加算,払いにしていることによる。ボーナス加算は、ボーナスが生活を支える基本的な収入として考えられる従前の日本的な体系ではよかったが、業績と連動する色合いが濃くなると、今回のように景気動向によって左右されるため、ボーナス加算に対しての考えを改めなければならない。

基本的な収入は月収でボーナスはあくまでも“おまけ”という発想にすること。これは、住宅購入がどうこうの前に、社会的なところから変えていかなければならないのでしょう。会社側が月収だけで基本的な生活ができるレベルを支給し、ボーナスは業績によるプラスアルファという配分にすることにより、自然と住宅購入も月収からの返済のみで考えるようになると思われます。

ただし、今回の景気悪化による雇用,収入への影響は、ボーナスだけに留まらず、ボーナス加算なしのケースでも住宅ローンの返済に影響が出てくる模様です。

今回のボーナス減額により返済が遅延となっても、すぐに住宅ローン破綻になるわけではありません。3〜6ヶ月前後の間、返済が滞ることにより競売などの処理へ移行することになります。※賃貸の場合とは異なります。

正念場は今年の年末になるのではないでしょうか。6月のボーナスが減額され、住宅ローンの返済が厳しくなって返済が滞り始める。12月までなんとか持ちこたえて冬のボーナスでつなぐことができればよいが、冬のボーナスも大幅な減額となって致命的な打撃を受けると厳しい結果になってしまうかもしれません。

このニュースなどを、これから住宅を購入しようと思う方は、どう考えるのでしょう。住宅購入を見送ることにするというのも方法です。一生の間に家を必ず買わなければならないということはありません。

それでも、いつか購入するというのであれば、今は景気が悪いということで先送りにしても、根本的な解決にはなりません。今の景気が回復したら今後何十年と不景気が来ないということはなく、住宅ローンの返済中に景気悪化局面も訪れることでしょう。

ならば、景気悪化局面でも返済に困らないようにすることです。現在の不景気状態で購入する場合、お財布の紐はきつめになり、無理な購入は自然と避けるようになり、景気回復局面では返済にゆとり、景気悪化局面でもなんとか返済できるという購入になります。

また、今後の不動産市場が上昇することがない限り、いざとなれば売ればいいという発想はできません。このことを考えると、安易に今の生活だけで住まいを考えるのではなく、将来にわたって住まいを考えなければなりません。

繰り返しになりますが、住宅を購入すべき、とか、今がチャンスと、お伝えしたいわけではありません。購入しないという選択があってもよいと思います。

それでも購入する方向で考えるなら、無理のない返済、先を見越した住まいを考えてください、とお伝えしたいまでです。

今年も半年が過ぎ、年末までに景気回復してボーナスの減少が小さくなることを期待したい。でも、選挙のことしか頭にない今の政治では無理なのでしょうね。

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2009年07月02日

草食系男子の住まい探し

草食系男子:草食系男子(そうしょくけいだんし)または草食男子(そうしょくだんし)とは、2008年ごろよりメディアで取り上げられるようになった用語。一般的には「協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプ」の主に20、30代の若い男性を指す。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

草食系男子という言葉は、結婚や恋愛分野で使われる言葉であるが、住宅購入,住まい探しの分野でも大きな影響が出ています。

住宅購入の過半を占める世代である20〜30代の夫婦。特に住宅購入は、女性(奥様)単独で動きづらい側面もあることから、草食系男子の傾向が住まい探しにも色濃く出ることも多く、住まいの探し方が多様化してきました。

草食系男子の特徴を住まい探しの場面に変換すると以下のような感じでしょうか。

・住宅を購入できないわけではないのに積極的でない
・持ち家が優先ではなく賃貸も平等に尊重する
・持ち家至上主義的な風潮に踊らされずに趣味や時間を大切にする
・リスクを嫌い繊細である
・住まい探しに使わないエネルギーを趣味に向ける
・妻に誘われれば住まい探しに同行するが積極的に動かない
・検討止まりになりがち
・見栄のための住宅購入はしない
・立地や金銭面よりインテリアや間取り検討の方を担当
・嫌われるくらいなら自分の希望を捨て親族を優先する

これらのひとつひとつがすべてダメということではなく、あくまでも昔と変わってきたかなという感想です。

住まいは、生活の基礎となるべきもので、持ち家が必ずしも人生や生活を豊かで快適になものにするとは限らず、積極的な理由、消極的な理由もいずれにしても賃貸住宅を否定するものではない。人それぞれで持ち家が良い場合もあれば賃貸住宅がよい場合もある。

住宅を購入しようと動き出し、実際に住まい探しをする場面で一番変わったと感じる部分は、検討する項目の役割分担が夫婦で逆転したケースが多いことです。

以前は、ご主人が金銭面や立地や生活環境など長期もしくは外側に向いた大きな視点となる項目を担当し、奥様が間取りやインテリアまたは日照,通風などの日々の生活や住宅の内部を担当することが多かった。

現在、これが夫婦の間で逆転しているケースが増えてきており、外部的,長期的な項目を奥様が担当、内部的,日々の生活面をご主人が担当するご夫妻に出会っても驚かなくなった。

そして、住まい探しの最終段階でも、細部の細かい点をいつまでも引きずりなかなか決断できないご主人と、清濁併せ呑む度胸と決断力がある奥様というご夫妻も多くなりました。

親御さんなどの影響を受ける方もご主人側に多くなったようにも感じ、また、子供の住まい探しに介入する親御さんもご主人側が多いと思われます。(ざっと今年を振り返ってみてもこの傾向通りです)

このようなテーマを取り上げたのは、草食系男子の住まい探しに問題があると言いたいわけではなく、ただ傾向が変わりつつあるとお伝えしたかったまでです。(このテーマで書いてみたかっただけです)

おやじギャル(わぁ、古い)という言葉が20年以上前に生まれ、女性の社会進出と地位向上、男女平等が浸透した影響が、住宅購入分野にも出てきたということでしょうか。

住宅に対する考え方、住まい探しのあり方など、人それぞれの価値観で判断は分かれるものであり、多様化した住宅への考え方それぞれに尊重されるものです。違った考えを否定することだけは避けなければなりません。

余談ですが、私の息子が所属するサッカーチームの役職者は大半を母親が務めております。これも草食系男子が父親になった影響でしょうか。ちなみにチームの部長職は私の妻が務めていることから、私は草食系男子の代表なのかもしれません。

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時間地価

7月1日、国税庁より2009年の路線価(相続税や贈与税の算定基準)が発表されました。全国約37万地点の標準宅地の平均路線価は前年を下回り4年ぶりの下落です。

特に東京都では全国2番目の下げ幅となっています。地価を押し下げた主因は、昨年9月のリーマンショックによる金融市場の収縮によるもので、不動産投資が大きく減少したことです。

ただし、一般的な郊外の住宅市場でも地価は下落傾向にありますが、ファンドなどによる投資市場や都心の高額帯とは違い、急激な下落とはなっていません。(現場での感触です)

振り返ってみると、4〜5年前が地価の底でした。その後、景気の回復傾向に沿って地価も上昇したのですが、その際言われていたことが、地価の二極化、勝ち組負け組の地域差が出ているということです。

今後、当面の地価水準の底は4〜5年前の地価が基準となり、その後、地価が上昇,横ばいに推移する地域と引き続き下落傾向の弱含みになる地域に分かれるのでしょう。

これから住まいを購入する方は、地域の選定が重要になります。その選定基準の指針として、アエラ('09.7.6)にて“時間地価”という概念が紹介されております。

人口減少・少子高齢化時代の地価を決めるのは「時間」だ。「痛勤」でサラリーマンの時間資産を奪う郊外はもちろん、山の手や武蔵野の人気住宅地も、割高感が強まる。代わって浮上するのが、城東地区の下町やベイエリアだ。

中略

通勤時間が長くなるにつれて地価が安くなるのは当然として、その傾向に「東西格差」がある。通勤時間20分(ターミナル駅まで)の円を時計回りにたどっていくと、経堂(小田急小田原線)、吉祥寺(JR中央線)など城西地区では坪単価が200万円を超えるのに対し、上石神井(西武新宿線)、浦和(JR東北本線)、三郷中央(つくばエクスプレス)、松戸(JR常磐線)と、北から東へ進むにつれ下がっていく。




住宅購入のお手伝いをさせて頂く際、ご相談者に上記の地価傾向を私は「のの字」に例えてお話しさせて頂いております。

首都圏広域の地図もしくは路線図に、地価が高い地点をなぞっていくと、東京中心部〜東急〜横浜〜小田急〜京王,中央〜西武〜東武東上〜東北,埼京〜東武伊勢崎,つくばエクスプレス〜常磐〜北総となり、のの字になる。例外は、千葉県の東西線,京葉線,総武線。都心への近さに気づいた方が、のの字をたどる前に逆へ流れたもの。

新宿,渋谷などの山手線西側エリアから千葉県を見ると都心越えとなることから選択肢にないことが多いが、山手線東側エリアへの通勤を考えた際、千葉県エリアが検討対象になる。この場合、分かりやすい例が直通運転している総武横須賀線で、千葉と神奈川は倍(半分)の違いがあるとお話ししております。

東京駅から総武横須賀線で東西に30分走ると、千葉県側は船橋駅、神奈川県側は横浜駅に着く。地価は、船橋駅が80〜100万円、横浜駅が150〜200万円。(そもそも横浜駅近くに住宅街があるかは不明)

神奈川県側で船橋駅並みの地価となるエリアを探すと、横須賀線で横須賀あたり、東海道線では藤沢や茅ヶ崎など。このエリアから東京駅までおよそ60分。

時間を地価の基準として考えると、同じ通勤時間なら千葉県の地価の倍が神奈川県(神奈川県の半分が千葉県)、同じ地価なら千葉県の通勤時間の倍が神奈川県(神奈川県の半分が千葉県)。

住宅地の地価は、通勤時間だけではなく、生活の利便性、住環境、福祉,教育、ブランドや歴史など様々な要素で決まるものであり、また、通勤時間だけで購入する地域を選択できるものではないが、通勤時間や通勤の苦痛を考えた場合、割安なエリアがどこかという考え方があってもよいと思います。

通勤時間を考慮した時間地価は、そうじて千葉県が割安です。一度ご検討されてみてはいかがですか。(なかなか難しいものもありますが)

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住宅ローン7月分実行金利

各銀行より平成21年7月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な7月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.275%
      三井住友銀行:1.475%
      みずほ銀行:1.475%
      千葉銀行:1.475%
      住友信託銀行:1.075%
      中央三井信託銀行:1.175%
      三菱UFJ信託銀行:1.475%
      中央労働金庫:1.225%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.15%
      三井住友銀行:2.35%
      みずほ銀行:2.35%
      千葉銀行:2.25%
      住友信託銀行:1.95%
      中央三井信託銀行:2.05%
      三菱UFJ信託銀行:2.15%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.45%
      三井住友銀行:2.65%
      みずほ銀行:2.65%
      千葉銀行:2.65%
      住友信託銀行:2.25%
      中央三井信託銀行:2.35%
      三菱UFJ信託銀行:2.25%
      中央労働金庫:2.05%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:2.75%
      三井住友銀行:2.95%
      みずほ銀行:2.90%
      千葉銀行:2.75%
      住友信託銀行:2.50%
      中央三井信託銀行:2.60%
      三菱UFJ信託銀行:2.60%
      中央労働金庫:2.10%

・35年固定 三井住友銀行:3.96%
      みずほ銀行:3.80%
      千葉銀行:3.12%
      中央三井信託銀行:3.80%
      中央労働金庫:3.55%

※自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

各銀行ともほとんどの期間でわずかながらですが金利を引き上げました。6月の長期金利(新発10年国債利回り)が月後半に下落傾向(1.5%→1.3%)で推移していたことから、7月の住宅ローン金利は下降するかと思われておりましたが、予想に反しての引き上げです。先月、今月と裏を取られて逆に動いています。

今後、金利の推移がどのような流れになるのか見えづらい面はございますが、ここ最近の1.5%弱前後を行ったり来たりで、しばらくは落ち着いてくるでしょうか。

もし劇的に動くとすれば、近々予定されている総選挙の動きと結果に対しての市場の反応による影響。どっちが勝てばどうなるというのは分かりませんが、何かしらの影響があるのかもしれません。

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2009年06月02日

経済危機対策による住宅税制・融資制度

 経済危機対策を進めるための税法改正案および平成21年度補正予算案が国会に提出されたことをうけ、国土交通省・住宅局より「経済危機対策による住宅税制・融資制度拡充の概要」が出されました。

 正式決定する前ではありますが、まず確実に成立すると見越してのものでしょう。もし、突然、国会が解散して不成立になってしまったらどうなるのでしょうか。

 ま、そのへんは置いておいて、拡充される住宅税制と融資制度の概略をご紹介させて頂きます。

1.贈与税非課税措置

 平成21年1月1日に遡り、平成22年12月31日までの間、20歳以上の方が直系尊属(父母、祖父母など)から住宅取得等に充てるための金銭贈与を受けた場合には、当該期間を通して500万円までの贈与が非課税とされます。

 さらに贈与税の基礎控除110万円もしくは相続時の精算課税と併用できるため、贈与税の基礎控除を加えた場合は合計610万円、相続時精算課税を利用した場合は合計4,000万円までは非課税となります。

 直系尊属とは、実の親もしくは祖父母です。配偶者の親や祖父母からの贈与の場合は対象外となります。この場合は配偶者との共有などで対応することになります。

2.フラット35の拡充

 フラット35(買い取り型)において建設費・購入費の100%まで利用できるようになります。さらに融資の対象となる諸費用の項目も増やしたため、今まで以上に自己資金が少なくても購入しやすくなります。

 また、優良住宅に対する金利優遇を現在の10年から20年に期間を延長します。

その他、詳細は概要書にてご確認下さい。
 


 この経済危機対策(補正予算)は、野党や評論家の方などから、ばらまき、無駄遣い、天下り役員の焼け太りなどと批判されております。この住宅税制・融資制度拡充についても一部が批判の対象となっております。

 まず、優良住宅に対する金利優遇の拡充ですが、これはどなたにも異論はないと思います。贈与税の非課税措置も、つぎはぎの相続税・贈与税制や根本的な贈与に対しての問題はありますが、負担が増えるものではありませんので、ま、いいでしょう。

 問題とされているのは、フラット35の融資対象額拡大です。原則的には自己資金が少ないのと、返済力は比例します。返済力が弱い人に貸し込むというのは、まさにサブプライムローンと同じ。また、公庫時代のゆとりローン問題と手法は違えど、根本は同じ。過去や海外で問題となったことと同じことを、また懲りもせずにやろうとしていることに、批判が集中しています。

 ただし、批判はあっても、国土交通省が発表するくらいですから、まず確実に実行される。ここからは、現場で携わる不動産,住宅業界が、売っちゃえばいいやと甘い言葉で推進するのか、この方には危険だなと感じたときに止められるか、意識や姿勢次第で、問題の大きさが変わってくる。

 氾濫していると言っていいほど情報が多く、FPなどのアドバイザーが認知されてきたことから、ゆとりローン問題ほどにはならないと思うが、ちょっと危なさも感じる。

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住宅ローン6月分実行金利

各銀行より平成21年6月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な6月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.275%
      三井住友銀行:1.475%
      みずほ銀行:1.475%
      千葉銀行:1.475%
      住友信託銀行:1.075%
      中央三井信託銀行:1.175%
      三菱UFJ信託銀行:1.475%
      中央労働金庫:1.225%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.10%
      三井住友銀行:2.30%
      みずほ銀行:2.30%
      千葉銀行:2.20%
      住友信託銀行:1.90%
      中央三井信託銀行:2.00%
      三菱UFJ信託銀行:2.15%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.40%
      三井住友銀行:2.60%
      みずほ銀行:2.55%
      千葉銀行:2.60%
      住友信託銀行:2.20%
      中央三井信託銀行:2.25%
      三菱UFJ信託銀行:2.25%
      中央労働金庫:2.05%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:2.70%
      三井住友銀行:2.90%
      みずほ銀行:2.90%
      千葉銀行:2.70%
      住友信託銀行:2.45%
      中央三井信託銀行:2.60%
      三菱UFJ信託銀行:2.50%
      中央労働金庫:2.10%

・35年固定 三井住友銀行:3.95%
      みずほ銀行:3.81%
      千葉銀行:3.29%
      中央三井信託銀行:3.81%
      中央労働金庫:3.75%

※自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

 各銀行ともほとんどの期間でわずかながらですが金利を引き下げました。5月の長期金利(新発10年国債利回り)が昨年来の高い水準で推移していたことから、6月の住宅ローン金利も上昇するかと思われておりましたが、予想に反しての引き下げです。金融の世界は奥が深くて難しいですね。

 変動金利を除く住宅ローンの金利は長期金利(新発10年国債利回り)に影響されます。5月の末には一時的に昨年以来の1.5%をつけました。これは景気回復による金利上昇ではなく、財政悪化懸念などからの国債価格低下によるものです。

 長期金利が上昇すると、金利上昇による利息収入は増える。一方で、住宅ローンなどの借入金の金利上昇で返済負担が高くなります。今後、長期金利上昇の流れが続くと、購入後の返済が重くなったり、借り入れそのものが難しくなったりすることもある。

 この金利上昇がいつまでどこまで続くのか。金融市場は海外の動向にも影響されるため日本の経済だけでは計れないが、本質的な経済環境が回復しているのではなく、債券市場の一時的な需給関係であれば、急激で大幅な上昇にはならないと思うのだが。

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2009年05月26日

中古住宅保険

 新築住宅の瑕疵担保保険「中古住宅」版ができる見込みになったと、日本経済新聞(平成21年5月26日)で報じられた。

『中古住宅に新保険』

 政府は中古住宅の売買を活発にするため、来年度にも新しい保険制度をつくる検討に入った。保険に加入すると、買ってから5年以内に雨漏りなどの欠陥がみつかれば、かかった補修費用を最高1000万円まで支払う。保険を普及させ、中古住宅の品質への不安を和らげる。良質な中古住宅の流通を促して住宅購入で新築以外の選択肢を広げ、住環境の改善につなげる。

 耐震偽装事件を受け、政府は10月から新築住宅の売り主に保険加入(供託でも可)を義務付ける。新保険は加入が任意な点は異なるが、その中古住宅版といえる。

 具体的には、不動産会社など中古住宅の売り主が保険に加入する。国土交通省が指定する「住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人」が中古住宅の品質を検査したうえで保険を引き受ける。

 保険に加入すると、住宅の引き渡しから5年以内に雨漏りや床の傾きなどがみつかれば、買い主が売り主に補修工事を要求できる。売り主はかかった補修費の八割、上限1,000万円まで保険金を受け取れる。

 仮に売り主が経営破綻した場合、買い主は保険金を直接請求できる。保険料は検査料を含めて10〜15万円になるとみられる。

 売り主が個人の場合は「欠陥の補修責任を負わせるのは難しい」との指摘がある。このため、保険法人が検査を委託した住宅検査会社に責任を負わせる案などがある。

 保険に加入できるのは耐震基準が厳しくなった1981年以降の一戸建てやマンション。それ以前の物件が保険に入るには、耐震診断に合格する必要がある。

 26日の社会資本整備審議会で国交省が保険制度の概要を示す。住宅保険法人に取り扱いを働きかけ、来年度には保険販売が始まる見通し。

 国交省によると住宅売買全体に占める中古住宅の比率は、米国や英国が70〜90%なのに対して日本は13%にとどまる。

引用元:日本経済新聞


 この保険制度は、中古住宅市場の整備を進める方針の一環です。記事の最後に記載されている通り、諸外国と比べ、中古住宅流通の比率が少なく、スクラップアンドビルドを繰り返す日本の住宅環境を改善しなければ、消費者の負担や資産形成に影響し、大きくは環境にも影響する。

 新しく制定される保険制度は、売り主が不動産業者の場合に限るもので、中古住宅の大半を占める一般の方が売り主の場合には有効な手段とならない。

 購入者側が中古住宅に目を向けるには、売り主の形態に関わらず、安心が得られる制度が必要である。しかし、これを一般の方へ行政,法律で強制するのは難しい。

 このような状況は現場で携わる不動産業者などは見抜いており、あちらこちらで、中古住宅分野への進出や新事業を模索されている。すでにホームインスペクションなどは動き出しており、今後もおそらく、行政が打ち出すものより購入者に支持されるサービスなどが民間から出てくるであろう。

 なにも行政側を非難しているわけではない。住生活基本法制定後の動き,方向性はよい。中古住宅に光をあて、事業者,消費者を導いている功績は大きい。いま確実に、世の中,社会の流れは中古住宅に向かっている。今後、住宅を購入しようと思っている方は、この点を十分に理解することが大切です。

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2009年05月21日

土地のグランプリ

 麻布、白銀、広尾などの都心にある閑静な住宅地。田園調布、成城、自由が丘などの邸宅街。吉祥寺、二子玉川、下北沢などの住みたい街ランキングで上位の常連。

 このような有名な街から知られていない街まで、首都圏の代表的な住宅地を取り上げて評価した“土地のグランプリ”が講談社MOOKより発売されている。

 2年前、日本経済の調子も良く地価が上昇局面にあった頃、初めて“土地のグランプリ”が発売され、町丁目単位で格付けして話題になった。今回はその第二弾。(かな?)

 ただし、前回は首都圏に加えて中部,関西も網羅したが、今回は東京都心部に注力している。千葉県内では、前回が東京通勤圏を広く網羅したが、今回は千葉県内は市川市,浦安市に絞られている。町丁目単位という細部にわたる分析と格付けの色合いを濃く、浅く広くから狭く深くというスタンス。

 住宅購入のサポートをする立場として、エリアは違えど、興味を持って読めるのかと思っていたが、読み進めていくうちにテンションは下がってしまった。

 土地のグランプリであるから、各エリアごとに定評がある住宅地が取り上げられる。どのエリアを見てもグランプリに登場する街は、それはもう素敵な街ばかり。記事を読んでも写真を見ても、どの街にも住みたくなる。

 しかし、取り上げられる街の地価を見れば、坪300万円だ、400万円だと、こんな地価で土地が買えるのか、と思える場所ばかり。私が千葉県に仕事場も住まいもあることから、感覚が違うにしても、こんなところを買えることが不思議で仕方ない。

 もうちょっと細部の住宅地を見ても、地価は坪100万円を下る場所はなく、30坪の土地を買ったら、土地だけでも4,000万円、5,000万円となりそう。これに建物を3,000万円だ、4,000万円だとかけたら、トータルの予算は1億円近い。

 こんな感じであるから、一般的な人がグランプリに登場するようなエリアで住宅を購入しようとしたら、建て売りかマンションしかない。それでも6,000万とか7,000万円にはなるのではないか。

 不動産を購入する際は、金額に関わらず慎重に行うべきであるが、このような高額の予算を出して住宅を購入する場合は、なおさらのことである。購入した建て売り住宅に問題が見つかった。暮らし始めたマンションが合わない。住宅ローンの返済で家計が苦しい。など。

 高額になればなるほど、なにかしらの事情が出た場合、取り返すにはかなりの労力や資金力が必要となり、挽回しづらいものである。

 それでもなお、グランプリに取り上げられるような街に住みたがるのはなぜか。生活や通勤などの日常的な利便性もあるだろうが、グランプリにを見ていて共通するのは街並みなどの雰囲気である。

 不動産の相場は理論的なこと以上に、みなが住みたがる、人気がある、などの感情的なことに左右される。資産価値がある、資産価値が落ちないというのは、住みたがる、人気がある、そして、これが続くことである。

 街並みがよく雰囲気がいい→人気がある→資産価値がある、という流れを逆に考えると、資産価値が落ちないエリアは人気があるエリア、人気があるエリアは街並みがいい、と。このことからみれば、資産価値を重視してエリアを決めるなら街並みを見ることが大事になる。

 街並みの良さは都市計画で整然とした街が代表的なものであるが、密集住宅地でも、緑、歴史、文化などの要素が混ざると風格ある雰囲気が醸し出される。

 グランプリに出てくるような街はすでに高値となってしまっている。まだ見いだされていないエリアで、街並みなどがよい場所を見つけることができたら、お買い得になるかもしれない。

 どの街がランキングに入っているのか、その理由を知りたい方は、本書を手にとってみてください。

 余談)グランプリに出てくるような街はすでに住宅地が形成されています。開発の余地も少ないことから、戸建てにしろマンションにしろ、新築は厳しい状況。エリアを重視して中古住宅,マンションを視野に入れるのが良いのかもしれません。

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2009年05月13日

アウトレットマンションは買いか?

◆アウトレットマンションは中古マンション

 “さらにお買い得なアウトレットマンション”というフレーズであれば、それは間違えです。しかし、アウトレットマンションがすべてダメ、ということではありません。なにか、禅問答のようになってしまいましたが、アウトレットマンションだからお買い得、ではなく、お買い得もあれば、そうでないものもある、ということ。個々の物件ごとの判断で結果は変わります。

 そもそも、アウトレットマンションという言葉は、昨年のリーマンショック以後に定着したものです。金融引き締めによる影響で資金繰りに窮したマンション分譲業者が、換金目的で再販業者に売れ残ったマンションを売却し、買い受けた再販業者が売り出す際に「アウトレットマンション」と名づけたものが、投売りなどのマイナスイメージを和らげ消費者受けするイメージとして一気に業界へ拡がりました。

 アウトレットマンションの中身は、特別に目新しいものではなく、従来からあった再販物件、新古物件、未入居物件であり、誰も住んだことがない「中古マンション」でしかありません。しかし、中古になると、いわゆる新築プレミア分(新築であることでの金額上乗せ)の評価が落ちるのですから、その分はお買い得とも考えられます。大事なのは、立地や建物のクオリティ,管理などで所有後に評価される価値であって、購入時の評価がいくら高くても意味がありません。※見栄としてはあるのかもしれませんが。

 アウトレットマンションを含め中古マンションの良さは、完成した状態で見られること、建設途中での破綻リスクが減少すること、契約から決済,引渡しまでの時間差が短く金利変動リスクが減少すること、すぐに引っ越せることなどがあります。特に大手マンション業者でも倒産するこのご時世では、完成までに時間がかかる物件には不安があります。

◆お買い得なアウトレットマンション

 個々のマンションがお買い得かどうかは、マンション市場のなかで比較検証して判断できます。このような不況下でも、売れ行きが良いマンションもあるなか、アウトレットマンションになるということは売れ残ったということです。建物などに致命的な欠陥がない限り、市場よりも割高だから売れ残ったのであるから、この割高分が削られたら適正価格、さらに、値引きや家具,家電,諸費用負担などが得られればお買い得と言えます。

 アウトレットマンションを判断する際に、対象となるのは中古マンション市場です。新築マンション市場と比べても意味がありません。失敗の元になります。もっと言えば、生活の基になる住まいを購入することであって、新築マンションありきという考え方が間違えの元です。

 中古マンション市場で売り出されている同程度で同じような立地の物件は、当然、アウトレットマンションよりも築年数が古く、その分だけ安いと思います。ここで、新しさを取ってアウトレットマンションにするか、安さを取って中古マンションにするかは、個々の判断になります。もし、中古マンションと同じくらいの価格、もしくは割安さとなるサービスなどがあれば、その分はお買い得と言ってもいいでしょう。

 また、なぜ売れ残ったのかを検証する必要もあります。投売りをしたマンション分譲業者が好景気や会社の規模拡大だけを目指して、本来、マンションの立地ではない郊外のバス便の地域で分譲し、マンション最大の売りになる立地に問題があるのなら、安かろう悪かろうの典型になるかもしれません。アウトレットマンションとして割安に購入したとしても、所有時もしくは売却時に割安に売らなければならないのなら、お買い得ではありません。

 その他、アウトレットマンションの注意点は、中古マンションとなるため、新築マンションであるなら得られた保証や税金の優遇なども不利になることもあります。逆に、修繕積み立て一時金などが価格に組み込まれたり、表示登記が不要になるなど有利になる面もあり、価格だけでは比較できません。

 お買い得、金利が低い、税制が有利、という外部要素は、購入の後押しとはなります。しかし、何を購入するか、いつ購入するか、などは、お買い得などの外部要素ではなく、ご家族や今後の生活などの内部要素で決めるべきです。

◇ポイント

・アウトレットマンション、即、お買い得ではない。
・アウトレットマンションは中古マンション。
・お買い得かどうかは中古マンション市場と比較検証して分かる。
・お買い得だから買うべき、選んで良いかは分からない。

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ハウスメーカー倒産の被害

 富士ハウス、アーバンエステートという中堅ハウスメーカーの倒産により、多額の被害を受けた注文主が多く出ており、この被害は耐震偽装事件と匹敵すると思われるが、メディアの注目度、関心度は、あまりにも違いがある。

 耐震偽装事件の時を思い出すと、連日のようにメディアで取り上げられ社会問題となり、建築基準法の改正など、消費者保護へと繋がったが、今回はメディアがひっそりとしており、消費者保護への改善は期待できない。

 耐震偽装のときとの違いは、視聴率が取れる「姉歯建築士、ヒューザー元社長」のようなキャラがいないこと。メディアが取り上げる基準は、生活や社会への影響にはなく、視聴率が取れるかどうかのみであるという感じを受け、さびしく思う。

 このように、メディアが今回の問題を取り上げないなか、やはりというか、ようやく、朝日新聞が、今回の被害状況と根本的な原因などを徹底的に取材し、核心まで踏み込んだ記事を掲載した。

◆2千万円払ったその日に… 注文住宅業者倒産の被害例

 注文住宅のために多額の前払い金をつぎ込んだら、いきなり業者が倒産。お金は返らず、住宅は仕上がらず、途方に暮れる――。そんな悲劇が首都圏などで相次いでいる。トラブルを避けるには、安易に営業トークにのらず、業者への支払いに細心の注意をするしかないのが現状のようだ。

 新築の家屋が立ち並ぶ東京都清瀬市下宿の一角。その1区画分の更地を前に、「本当に悔しい」と会社員の男性(28)が話した。

 4月末には2階建て103平方メートルのマイホームが建っているはずだった。社宅のマンションから出て、家を建てようと考えたのは昨年9月。まもなく2歳になる娘の成長を考えて、富士ハウスに発注。だが、今年1月29日、2千万円を振り込んだその日に同社は破産した。

 営業マンが「1%割り引くので全額払った方が得」と何度も食い下がるので、「どうせ払うものだし」と振り込んでしまった。営業マンも「大丈夫」と言っていた。昨秋から資金繰りが苦しくなっていた同社が営業マンに、前払い金を多く払わせるよう指示していたことを後で知った。

 「甘かったが、あれだけの大手が簡単に倒産するとはどうしても思えなかった」

 倒産当日に振り込んだこともあり、管財人が「道義的な責任がある」として半分の1千万円を返してきたが、残りの1千万円は両親からの借金だ。これとは別に、2400万円の銀行ローンも組んでいる。銀行は「あと1千万円かりて、家を完成させたらどうか」と言うが、いまは5月から始まる月10万円超の返済で頭がいっぱいだ。

 栃木県さくら市にも建設途中の家がある。同じ富士ハウスの物件だ。発注した女性(30)は「もう4カ月もこのまま。一体どういう状況なのか、情報がないことが不安にさせる」と話す。

 女性は、母親(55)と夫(35)、長男(8)の4人暮らし。ある程度の貯金もできて新居での暮らしを思い描き、08年11月に着工。すぐに建築費の全額2千万円を振り込んだが、工事は今年1月にストップ。屋根は仕上がらず、内装には手が付けられなかった。予定通りに完成させるにはさらに800万〜1千万円が必要と言われている。雨ざらしの「自宅」を前に、残るのは「あきらめの気持ちだけ」という。

 神奈川県茅ケ崎市にも家が建つはずだった更地がある。請負業者はアーバンエステート。発注した男性(37)は母親(63)と2人暮らし。将来の結婚を考え、それまで住んでいた家を2世帯用に建て替える計画だった。昨夏、営業マンから「早めに前受け金を払えば5%値引きする」と勧められ、設計段階だったが建築費の7割にあたる2千万円を振り込んでしまった。「家を建てるのは初めて。相手に言われればそんなものかと思った。ただ、見積もりを取った4社のうち、3社が倒産した。こんなことは普通の消費者には分からない」と話す。

    ◇

 宅地建物取引業法(宅建法)が適用される建売住宅やマンションの場合には、メーカー側が倒産しても前払い金(手付金)を救済する仕組みがあるが、同法の対象外である注文住宅にはこうした仕組みが十分に整っていないためとみられる。顧客側はほとんど救済されないという。注文住宅は約2万5千社の業者が年に約30万戸建築しており、被害の拡大が懸念される。

 被害が出ているのは、いずれも破産した富士ハウス(浜松市)やアーバンエステート(埼玉県川口市)の顧客だ。

 富士ハウスは、関東や関西、東海で注文住宅の請負を展開。08年3月期の売上高は418億円だったが今年1月末に破産、グループの負債総額は638億円。破産管財人によると、顧客が前払い金を支払い済みなのに着工にも至っていない分が1438件、未完成の分が420件あり、被害総額は55億円に上る見通しだ。大阪や京都などの関西圏でも数百人が、名古屋、三重など東海地方でも数百人が被害にあっている。(小川弘平、座小田英史)



 今回の問題は、倒産した会社にもあるのだろうが、耐震偽装と同じく、行政側に問題がある。

 不動産業者が新築住宅を販売する際、完成までの間、代金の5%または1,000万円を超える金額を受領する場合は、保全措置(保証もしくは保険など)を取らなければならない。完成した場合でも、代金の10%または1,000万円を超える金額になる場合は同じ。さらにどのような場合でも20%を超える金額を受領できない。※契約後引渡しまで、当然、引渡し時には全額受領できます。

 これは、完成までに不動産業者が倒産した場合、被害を減らすために行われている。まさに今回のようなケースである。しかし、新築住宅の建築では、このような規定がない。手付金や中間金を完成前にいくらでも受領できるのが建築請負契約。※完成保証制度もあるが任意。

 不動産取引業務を行うには、どんな小さな取引でも、宅地建物取引業の免許が必要であるが、建築の場合、500万円以下の取引しか請け負わない場合は免許が要らないなど、不動産業界と比べ、建築業界への取り締まりは甘い。

 今回の朝日新聞に続き、各メディアでも大きく取り上げ、建築行政へプレッシャーをかけることを期待したい。しかし、被害者の「CMをバンバン流している会社だから安心した」というコメントに怖がってできないかな。

(余談)

 同じく本日の朝日新聞に、母子加算廃止で高校や修学旅行に行けないという悲しい記事と、補正予算の大盤振る舞いという情けない記事が、同じ5面に掲載された。母子加算の費用は200億円、定額給付金の事務費800億円、庁舎の建て直し何千億円。お金の使い道、おかしくないですか?

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2009年05月10日

住宅購入を避けるべき3つの理由

 週刊ダイヤモンド5/16号の特集“大失業・減給危機”に「家計支出の賢い減らし方」という記事が組まれました。骨子は、固定費の見直しとし、3大支出である住宅,クルマ,保険の支出を減らそうというもの。住宅は賃貸へ、クルマは都市部なら所有しない、保険はなるべく加入しない、という助言です。

◆マイホーム購入を避けるべき三つの理由(概略抜き出し)

 今後、超高齢化社会を迎えることから(高齢者の住居を)社会的に無視できず、(賃貸であることでの老後の住宅不安)は無用だろう。

 住宅ローンのような長期負債を抱えることは、支払い能力が不安定な環境下ではあまりにリスクが高過ぎる。住宅ローンを完済する頃には住宅資産価値はゼロになり、土地価格で評価される。(理由1)

 住宅ローンの頭金として支払う金額を複利運用する方が有利。(理由2)

 そして、人生のそれぞれの段階に応じて家族の形態は変化し、住宅に求めるものは変わってくる。(理由3)



 住宅購入に対しての見方はそれぞれである。右から見た場合、左から見た場合、それぞれ反対の見方になる。今回提示された考え方も、間違っているわけではなく、受ける当人がどう考え判断するのかでよいが、あえて反論をしてみた。

 老後の不安は、年金不信のなか、ほとんどの方が感じている。対応としては、貯蓄,備蓄しかない。この蓄えを、預金でするのか、不動産という資産でするのか。確かに、老後の住まいの提供,供給は増えると思われる。ただ、相手がどう出てくるのか読めないことをどう考えるか。やはり、自力で動ける住宅確保という面も否定はできない。ただし、貯蓄をしておいて、老後に購入するという手もある。

 住宅ローンの長期負債を抱える不安は確かにその通りでしょう。しかし、住居費負担が暮らしていく限りあるのは賃貸でも変わらないので、住宅ローン即否定ではなく、金額や状況に応じて判断は分かれるのでは。また、住宅資産価値が早期にゼロとなるという点も、行政,業界として改善に取り組んでいるもので、購入する内容によって分かれる。

 複利運用の前提として年3%を想定しているが、30年という長期に渡って、この運用実績が絶対確実とどこまで言い切れるのか。住宅ローンの支払い源の確保より読み切れないのでは。

 人生それぞれの時期に応じて求める住居の変化はその通りである。ここも行政,業界として改善しようとしている。スケルトンインフィルというライフステージの変化によって住居を臨機応変に変えていこうという考えが代表的なものである。また、中古住宅の市場整備を推進し、暮らしに応じて住み替えしやすい環境を実現しようと動いている。

 この反論は、提示されたものが間違っているというわけではなく、こういう考え方もあるのではと示したもの。記事で書かれている内容も、一方からの見方としては正しい。

 住宅購入を考えている方にお伝えしたいのは、断片的な情報に固執せず、柔軟に大局から鳥瞰して判断してもらいたい、ということです。

 今回は住宅に関する点だけを取り上げましたが、クルマ,保険の支出のことやその他の記事に興味ある方は、是非、週刊ダイヤモンド誌を手にとってお読みになって下さい。

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2009年05月07日

体に染みこんでいる感覚

 今年のGWは二日間休みを頂きました。

 4/29(昭和の日)、5/3(憲法記念日)、5/4(みどりの日)、5/5(こどもの日)に、今年は5/6(振り替え休日)と、カレンダー通りの土日が入ってGWになりました。

 この中で、5/3と5/5は、子供の時から変わらないので、違和感もなく、また、呼び名は違えど、4/29も昔から休みですんなり入るが、5/4は習慣がついた後にできたもので、今でも何の日?と首をかしげてしまう。

 同様に、今でも、成人の日は1/15、体育の日は10/10というのが体に染みこんでいるので、違和感を感じてしまう。

 おそらく、住まい探しでも同様のことが言えるのではないか。体に染みこんだ住まいの感覚は、どなたにもあって、そこから大幅に逸脱した住まいや地域は選びづらい。

 体に染みこんでいる住まいと感覚的に近くて、すんなり違和感がなく入れる住まいをアドバイスする方は提案するのがよいのではないでしょうか。

 実務的にも、3連休が増えたのは、ちょっと動きづらい。役所や銀行が開いている日が途中にあったり、資料の準備や下見などの動く日が間にあった方が対応しやすい。

 ETC1,000円乗り放題も休日に限りで、土日が仕事の人のことなど、政策的には無視されてしまう。

 土日祝祭日お休みのお役人様の方々が決めるものですので、致し方ないのでしょうか。

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政策による影響

 GWはいかがでしたか?

 今年のGWは、良くも悪くもETC1,000円均一が目玉でした。

 鉄道や飛行機と比べ、家族旅行では、自動車を利用した方が、交通費負担が少なくなる。さらに、均一料金の効果もあって、自動車を利用した旅行が増えたと思われます。

 このため、今年のGWは、年末年始やお盆休みの帰省ラッシュ以上に、高速道路の渋滞が激しくなりました。

 私は、GW期間中、2日間お休みを頂きました。(神奈川の同業者には、休んだ?と怒られてしまいましたが)

 この2日間、我が家も車で出かけたのですが、幸い、渋滞には一切巻き込まれませんでした。

 1日目は、神宮で東京六大学野球観戦。

 たまたまなのですが、これは斎藤佑樹が登板予定と知ったためです。例年なら、千葉県高校野球春期県大会を見に行くのですが、今年は注目される高校もなく、予定変更です。

 2日目は、釣り堀で坊主。

 これも例年なら木更津方面へ潮干狩りに行くのですが、毎年、渋滞、混雑に巻き込まれるため、予定変更です。食いが悪くなる昼頃からの時間帯と、釣り人の多さで、坊主の結果でしたが、大きなマダイを1匹サービスでもらいました。

 魚をさばくのは、男の仕事っぽい印象もありますが、肉屋のせがれである私には、魚をさばく経験もなく、悪戦苦闘。タイって大きくて骨も太く、けっこう大変です。しかし、なんだかんだと身も多くて、3日経っても、まだ、タイの料理が食卓に並びます。

 ニュースで大間のマグロが何百万円と市場のセリで値段がつくのをみて、そんなんで採算に合うの?と疑問でしたが、さばいていくと、思ったより食べる量があるものです。

 さて、余計な前置きが長くなりましたが、今回のETC均一料金という政策などで、生活や社会が影響されるのは、住宅、不動産の分野でも同じです。

社会資本整備審議会産業分科会不動産部会,中間とりまとめ

 国土交通省の社会資本整備審議会(産業分科会,不動産部会)より、今後の不動産取引と流通のベースとなる「中間とりまとめ」が今月発表された。

ホームインスペクション

 住宅のあり方を抜本的に見直す“住生活基本法”では、住宅の資産価値向上が第一の目的と言ってもよい。

住生活基本法:裏の意図

 住宅ローン減税、住宅取得のための贈与税非課税枠拡大。経済成長、景気回復のために、相変わらず、国の持ち家政策は続いている。

'09追加経済対策素案を見て

 10兆円の新たな国債発行積み増しによる経済対策が政府・与党より発表された。これにより国債発行額は過去最大となる43兆円となる見通し。

 ここ最近打ち出された政策を列記してみました。即効性があるものから、今後長期にわたり変革を及ぼすものまで様々です。短期的な内容は、その時々の損得,有利不利で検討すればよく比較的わかりやすいですが、注意するのは長期的な内容。

 住宅の購入は何十年と関わっていく性質から、今だけのトレンドや状況,考えなどで購入すると、長期的な流れや将来の状況に合わないこともあります。合わないとどうなるのか。それは、極端な言い方ですが、資産価値の減少に繋がる。

 もし、購入した家を売却することがあるとすれば、購入してから10年後、20年後、30年後になると思われます。そのとき、購入時に最先端とか流行りであったと言っても、売却時の状況や流れに合わなければ評価されません。

 質実剛健というような基本がしっかりした住宅の購入をお勧めします。目先の華やかさなど表面的なかっこよさに惑わされないでください。結婚相手を選ぶのと同じです。(両方兼ね備えているのがよいのでしょうが)

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2009年05月02日

住宅ローン5月分実行金利

各銀行より平成21年5月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な5月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.275%
      三井住友銀行:1.475%
      みずほ銀行:1.475%
      千葉銀行:1.475%
      住友信託銀行:1.075%
      中央三井信託銀行:1.175%
      三菱UFJ信託銀行:1.475%
      中央労働金庫:1.225%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.15%
      三井住友銀行:2.35%
      みずほ銀行:2.40%
      千葉銀行:2.25%
      住友信託銀行:1.95%
      中央三井信託銀行:2.05%
      三菱UFJ信託銀行:2.3%
      中央労働金庫:1.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.45%
      三井住友銀行:2.60%
      みずほ銀行:2.60%
      千葉銀行:2.65%
      住友信託銀行:2.25%
      中央三井信託銀行:2.30%
      三菱UFJ信託銀行:2.40%
      中央労働金庫:2.05%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:2.75%
      三井住友銀行:2.95%
      みずほ銀行:2.90%
      千葉銀行:2.75%
      住友信託銀行:2.50%
      中央三井信託銀行:2.605%
      三菱UFJ信託銀行:2.65%
      中央労働金庫:2.10%

・35年固定 三井住友銀行:3.95%
      みずほ銀行:3.83%
      千葉銀行:3.37%
      中央三井信託銀行:3.83%
      中央労働金庫:3.80%

※三菱東京UFJ銀行は自己資金比率により選択できない固定期間もございます。

 各金融機関、各タイプとも、前月に引き続き小幅ながら金利を引き上げました。これは長期金利が1.4〜1.5%前後にじわりと上昇したためです。こう見ると、昨年末から年明けにかけての長期金利1.2%台が下限であったことになります。

 景気回復での金利上昇ではなく需給関係によるものですが、こうなると、金利動向がどうなるのか、どこまでの上昇余地があるのかに興味が集まります。

 一昨年頃の景気が良いと言われていたときで長期金利は2%弱、過去10年を振り返っても、ほとんどの期間で2%弱でした。この結果から考えると、よほど経済事情に変化がないかぎり、長期金利2%が上限の目安となるのではないでしょうか。

 景気回復なのか、需給関係なのか、どちらの理由になるか分かりませんが、住宅ローンの金利水準は0.5%程度の上昇余地があると推測してもよいかもしれません。なお、変動金利は日銀の政策金利に連動しますので、長期金利の動きとは直接関係しません。

 ここで考えられる案は、短期固定で借りたあと、金利上昇したとしても中長期の金利を超えることはなく、返済総額からみて有利になるのではないかというものです。

 急激な経済情勢の変化などによる金利上昇リスクを背負うことになりますが、ひとつの検討材料になるのではないでしょうか。※金利上昇リスクを別に手当てしカバーすることもできます。

 当たるか外れるか、一切の責任は負いませんが、なんでもかんでも長期固定が安全と頭ごなしに決めるのではなく、それぞれのリスクや返済パターンなどの見比べてご検討してみてください。

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2009年05月01日

不動産取引と流通の行く末

 さくら事務所の“ホームインスペクション,セミナー”に参加した際、国土交通省の社会資本整備審議会(産業分科会,不動産部会)より、今後の不動産取引と流通のベースとなる「中間とりまとめ」が今月発表されたと聞き、探していた資料(中間とりまとめ)がようやく見つかりました。

 この中間とりまとめのなかで、具体的な検討項目と不動産市場の状況と課題をピックアップし、ご紹介します。(詳細の内容は中間とりまとめをご参照ください)

◇社会資本整備審議会産業分科会不動産部会,中間とりまとめ

1)具体的な検討項目

1.購入者等に対するより適確な情報提供のあり方
2.「告知書」・「インスペクション」の活用
3.賃貸不動産の適正な維持管理のための方策

2)不動産市場をとりまく状況と課題

(住宅市場の課題)
○人口減少、少子高齢社会において、国富である住宅を資産として最大に利活用することは喫緊の課題である。
○また、省資源、環境保全の観点からも、住宅を長期にわたり使用し建替えを減らすことは、環境負荷の低減に大きく貢献するものであることから、既存住宅の価値を維持し、良質なストックを形成することが求められている。
○さらに、国民のライフスタイルの多様化に伴い、住まい方についても多様なニーズが生まれている。
○このため、流通市場の活性化を図り、国民がライフスタイルに応じた住生活を送ることができるような環境を整備することが求められている。

(既存住宅市場の課題)
○ストック重視の住宅政策を推進するに当たっては、既存住宅市場の活性化が必要であるが、我が国の既存住宅流通シェア(既存住宅と新築住宅を合わせた住宅流通量に占める既存住宅の割合)は、欧米諸国と比べて圧倒的に低い状況にある。
○既存住宅市場の活性化を阻害する要因の一つが、買主からみた物件の品質に対する不安にあることから、品質に関する透明性、信頼性を高める取組が必要である。

(不動産市場における情報提供)
○不動産取引は、物件の品質や周辺環境、過去の履歴、契約条件や契約の相手方の信用力など、様々な情報を基に行われるものである。
○インターネット利用の急速な普及により、消費者は従来に比べ多くの不動産市場に関する情報に接することが可能となってきたが、それでも取引の当事者間には、それらの情報に関して「情報の非対称性」が存在することから、情報の信頼性の確保、適時適確な情報提供とそれに基づく適切な判断が行える環境整備が求められている。
○さらに、昨今は消費者による安全安心な取引に対する意識が高まっており、こうした消費者意識の高まりに応え、安心安全な取引を行える環境が不動産市場に求められている。

(賃貸不動産管理の課題)
○賃貸住宅(民営借家)は住宅ストックの4分の1以上を占めており、多様な国民の居住ニーズに応えるものとして必要不可欠な存在である。国民が日々の生活を送る基盤として、また、良好なストックとして長期間にわたり活用される上でも、適切な維持管理が行われることが必要である。
○消費者の安心安全な取引への意識も高まる中、賃貸不動産に関するトラブルは増加傾向にある。また、近年、家賃債務保証業など賃貸不動産管理に関する新たな事業も展開され、これらに関するトラブルも発生している。
○現行では、賃貸業、賃貸不動産管理業などの業務については、これらの業務を行う事業者に関する情報が不足するとともに、事業者の不適切な行為を防止するような事業者間での共通のルールが確立されていないという課題がある。
○なお、不動産投資市場の拡大に伴い、投資対象とされる不動産の価値の維持・向上のために不動産を適切に維持管理する管理業務の重要性が高まっており、これら管理業務の専業化の動向にも注視すべきである。



 この“中間とりまとめ”から、今後どのようになっていくのかを想像する。

 まず、これからの住宅環境の中心は、中古住宅と賃貸住宅になる。そのために、中古住宅流通市場と賃貸管理業の整備,制度作りが必要。中古住宅流通市場整備の核となるのが「告知書」「インスペクション」。重要事項説明の見直しを含め、一般の方を含む売主や不動産および関連業者からの情報提供の環境を整備することになる。

 これから中古住宅市場が活性化するに伴い、一般の方を含む売主と不動産業者が、情報提供への理解と積極的な取り組みをするかによって、資産額,売却額に大きな影響を与えることになる。

 自宅の価値を維持する,売却価格を高めるために、売却時点からでの取り組みでは間に合わない。明暗の分かれ道は、住宅購入時点まで遡る。購入時点から居住中、売却までの間、きちんと住宅を点検,整備し、不透明な要素をなくすこと。これが大きな明暗を分ける要素となる。

 資産価値,売却額が大きければ、それを担保にお金を借りることも、売却することも可能であり、老後の生活も含め、臨機応変な対応が可能となる。

 住宅ローンの検討でも、購入する住まいの検討でも、大局観を持って臨むことが大事である。

 なお、この中間とりまとめは、今後、同部会で実務上の問題点等の残された課題についてさらに審議を重ね、年内を目処に最終的なとりまとめを行なう予定。

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2009年04月28日

あなたの駅の通信簿(首都圏)

 私の自宅がある北総鉄道,小室駅は“10”、隣の白井駅も千葉ニュータウン中央駅も“10”。弊社最寄り駅の常磐線,南柏駅は“7”東武野田線新柏駅は“9”。

 これは、日経ビジネスがアトラクターズ・ラボのデータの収集・分析を基に算出した「街の通信簿」の分類である。数値は分類であり評点ではないので、自宅所在の沿線である北総線各駅が満点評価というわけではない。下記の調査概要を見ると、“9”もしくは“10”はマイナスでさえあるかもしれない。(というか“10”は明らかにマイナス)

 ※この他の駅の調査結果はこちらへ

○調査概要

 「感度指数」「利便性指数」「環境指数」「親しみ指数」の4軸を取り、首都圏1409駅を指数化。その指数を基に、10のカテゴリーに分類している。

 「感度指数」は流行に敏感な人々にとって住みやすい街かどうかを示したデータ。不動産マーケティング会社、アトラクターズ・ラボ(東京都千代田区、沖有人社長)が作成した商業系データベースを基に、セレクトショップやブランドショップ、カフェ店舗数を抽出。駅周辺に住む人の平均年齢や駅の非定期の乗降客数、昼間人口密度などと組み合わせて感度指数を算出している。セレクトショップなどが多いほど、また若い人が住んでいるほど、感度が高い人が住んでいると考えた。

 「利便性指数」はその駅が便利かどうかを表したもの。大規模商業施設の数や不動産価格などを基に算出している。百貨店や駅ビル、家電量販店といった大規模店舗が多ければ、それだけ利便性は高いだろう。同様に、利便性がいいところは、不動産価格が高いもの。裏を返せば、不動産価格が高いところほど、利便性が高くなる、と考えた。これ以外にも、夜間人口密度なども参考にしている。

 「環境指数」が示しているのは住環境。算出には駅ごとの緑化率や平均世帯年収などを活用している。公園などの緑が多い地域はそれだけ住環境に優れている。一方、所得の低い人に比べて、所得が高い人は環境のいいところに住もうと考える傾向が強い。そう考えて、駅ごとの平均世帯年収を採用した。

 最後に「親しみ指数」。これは、街の人情味やコミュニティーの深さを指数化したもの。65歳以上人口の割合や物販の店舗数、世帯構成比などをベースに指数化した。高齢者が多いところには地域のコミュニティーが残っている。物販店が多ければ、商店街のような商業の集積があるはず――。こうした仮説に立っている。ほかにも、庶民性や人情味を想起させるデータを使っている。

 最寄り駅の範囲については、隣接する駅との中間地点に垂直二等分線を引き、つないだ多角形のエリアとした。その駅の商圏ならぬ「最寄り駅圏」を把握するため。東京メトロ丸ノ内線の「後楽園」と東京メトロ南北線の「春日」などのように、隣接する駅があまりに近い場合はどちらか一方を採用している。駅別の指数は東京、神奈川、千葉、埼玉の都県ごとに算出した。

○カテゴリーの概要
(1)「よくばり」・・・4つの指数のすべてが高い駅
(2)「こだわり」・・・4つの指数のどれか1つが突出している駅
 (2)−1「感度指数のみ突出している駅」
 (2)−2「利便性指数のみ突出している駅」
 (2)−3「環境指数のみ突出している駅」
 (2)−4「親しみ指数のみ突出している駅」
(3)「感度+利便性」・・・感度指数と利便性指数が高い駅
(4)「感度+親しみ」・・・感度指数と親しみ指数が高い駅
(5)「感度+環境」・・・感度指数と環境指数が高い駅
(6)「利便性+親しみ」・・・利便性指数と親しみ指数が高い駅
(7)「利便性+環境」・・・利便性指数と環境指数が高い駅
(8)「親しみ+環境」・・・親しみ指数と環境指数が高い駅
(9)「ふつう」・・・4つの指数が平均的な駅
(10)「特徴なし」・・・すべてに特徴がない駅

 厳密にいうと、「感度+利便性+親しみ」など、3つの指数がいい駅も存在している。こうした駅は相対的に高い2つの要素を取って分類している。


 今回の調査は、良くも悪くも、あくまでも統計データ、されど統計データという側面が垣間見えた。

 たとえば、私の自宅がある北総鉄道沿線。最寄り駅の小室駅が“10(特徴なし)”は、まあその通りであるが、隣駅の白井駅はきれいな駅前からつづく整然とした街並み、駅前周辺に日常的な商業施設が充実し、公園や周辺を緑に囲まれた自然豊かな環境、駅から徒歩5分程度の文化センターには充実した図書館からプラネタリウムまである。

 さらに反対側の隣駅である千葉ニュータウン中央駅は、駅周辺にイオンのショッピングモールや商業施設が充実し、花の丘公園などの公園も多く緑豊かな環境である。また、北総線沿線はどの駅でも、周辺ののどかな雰囲気と同様に穏やかな人柄な住民層でもある。

 北総鉄道と東武野田線,新京成電鉄が交差する新鎌ヶ谷駅。この駅の分類は“9(ふつう)”となっており、これは同じ東武野田線の新柏駅と同じ。しかし、複数の大型商業施設と大型総合病院,市役所などの施設が充実し市の中心地(さらには千葉県北西部の内陸地域の中心地)として新しく発展中の新鎌ヶ谷駅と閑静な住宅地として定評のある新柏駅では、明らかに分類は異なるのではないかと思われる。(どちらの良し悪しではなく)

 同記事で取り上げられている“北千住,二子玉川,表参道,代官山,武蔵小杉,所沢”など首都圏でも代表的な駅の分析は、データの奥にまで踏み込んだ分析であり的確である。しかし、都心の一等地から房総までを同じデータで分類するのは限界もある。

 データには、そこに秘められた客観性もあり、それなりの目安、参考になるとは思うが、やはり、実際には自分の目で歩いてみるしかない。日経ビジネスでも『あくまでも新しい切り口の提示である。』と伝えている。

 ただ、このような取り組みは大歓迎であり、いろいろな街の切り口もみれておもしろく、住まい探し、街選びに役立つものである。今後も日経ビジネスとデータの収集分析を行ったアトラクターズ・ラボさんには期待したい。

◇参考

 アトラクターズ・ラボでは、あなたと駅の相性を診断する「駅占(えきせん) 」を提供している。ちなみに、私と最寄り駅の小室駅で診断したら、結果は「大凶、-9点、最低な相性」と出た。

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2009年04月23日

ホームインスペクション

 インスペクションを辞書(大辞林)で調べてみると「視察。検査。点検。監視。」と出る。ホームインスペクションの場合は検査という意味合いが強く「家の検査」という意味が一番しっくりくる。

 住宅のあり方を抜本的に見直す“住生活基本法”では、住宅の資産価値向上が第一の目的と言ってもよい。このために必要なことは、質の高い建物の普及(新築)と、日々のメンテナンスによる維持管理であるが、それ以上に、資産価値≒流通価値(売却)となることから、売却時に適正な評価ができるような中古住宅流通市場の整備が必須の課題となる。

 課題は、建物の価値が適正に評価されていないところにある。新築時から売却に至るまでの間、書類などが保管され、日常のメンテナンスなどの建物管理が適切に行われていれば、適正な評価を得られるようになる。住生活基本法では、これを“家歴書”の整備として行うように推進する予定である。

 今後新築される建物に関しては家歴書の整備による適切な評価を得られるようになるが、今現在すでに存在している建物に対して適切な評価を得られるようにする取り組みが必要であり、それが“ホームインスペクション”である。
 
市場重視・ストック重視の政策を展開していく上では、住宅の質が適切に評価され、適切な価格で安心して既存住宅が取引できる流通市場の形成を図ることが必要である。現状では、住宅の取得後、その資産価値を維持または向上させようとする国民の意識は希薄であるとともに、既存住宅の流通市場でも、住宅の質や維持管理の程度の差等が適切に価格に反映されているとはいえず、また、それらを適正に評価するための共通の基準も十分には共有されていない。

引用元:国土交通省,社会資本整備審議会「長期にわたり使用可能な質の高い住宅を整備・普及させていくための方策について」答申

 ホームインスペクションは、売却を前提とせず、建物の状態を知るための診断としても利用できるが、それ以上に、住まいの売却時に建物を適正に評価されるため(→建物評価を売却価格に反映させるため)に利用されるケースが多くなると思われる。

 しかし、現状では、住まいに限らず情報公開を求める現在の消費者動向,意識により、買い主側の希望として実施されるケースが多いが、そもそもホームインスペクションは、不動産の情報公開であるから売り主の理解と協力がなければ始まらない。

 不動産売却を取り扱う不動産業界側の理解も乏しく、さらに売主自身も建物の評価減に繋がる恐れを感じて尻込みしてしまう傾向が強いため、普及は限定的だ。

 買い主側の意向は決してあら探しをしたいものではない。どのような状態にあるのか、今後、どの程度の費用とメンテナンスが必要となり、その結果、残存期間はどのくらいか、という事実をありのままに知りたいだけである。

 例えメンテナンスが必要となる点があったとしても、きちんとホームインスペクションを受け、事実をありのままに伝えてくれる方が、先を見通せる安心感となって、価格としても高く評価される。※ホームインスペクションの費用が上乗せされても問題ない。

 近年の企業不祥事を見ても、不祥事をごまかしたり隠したりすることい対して厳しい評価がくだり、ありのまま事実を速やかに公表したところは大きなダメージは受けていない。これと同じことである。

 中古住宅を売却するのは一般の方が多く、商品という感覚にはなりづらいのは理解するが、購入者の心理としては商品と購入と同じように、購入する物を包み隠さず表記してもらいたいと願うのは当然である。これは土地でも同じ。

 不動産を取り扱うものとしては、良いことでも悪いことでも事実をありのままに伝えたい。これには売り主側(不動産業者含む)の理解と協力が必要となる。

 買い主側(不動産業者含む)としては、何十もある購入候補地すべてに調査をすることは物理的にも費用的も無理である。理想の市場形成としては、土地にしろ建物にしろ、売り出される前にきちんと点検,調査のうえ、情報を広く深く公開され、買い主側が事実をありのままに受け入れ、選択と判断をするというものになる。

 これは売り主側にも決して不利益になるものではない。なぜなら質の高い住宅とまめな手入れという努力が報われ、不動産が適正に評価されるから。これができて、不動産流通の近代化と整備になる。

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2009年04月21日

住生活基本法:裏の意図

 住宅ローン減税、住宅取得のための贈与税非課税枠拡大。経済成長、景気回復のために、相変わらず、国の持ち家政策は続いている。戦後から高度成長期にかけて都市部への人口流入に核家族化で、住宅不足が起こり、国の住宅取得政策も相まって、持ち家取得が当然のような流れを作り、持ち家が借家よりも一段上のような扱いになっている。

 確かに高度成長期からバブル期までは、インフレによる不動産資産の上昇と住宅ローンの実質負担軽減で、資産形成に役立った。また、賃貸住宅と比べ、住宅の広さやクオリティに差があり、リフォームなどの自由度、居住し続ける安定度などにおいても、持ち家の方が有利に働くことが多かった。現実にクレジットなどの信用度では持ち家の方が高く評価されるなど、社会的にも同様に扱われる。

 しかし、バブル崩壊以降、資産価値の安定性が損なわれ、景気悪化による住宅ローン返済による家計圧迫、少子化による住宅需要の減少、高年齢化による住宅や住環境の維持の困難さが浮き彫りになり、また、世帯数を住宅戸数が上回る家余りの状況から賃貸住宅環境の向上など、持ち家が絶対的に有利とはならなくなってきた。

 それでもなお、国の政策も社会的な流れも、持ち家取得を目指す方向は変わることはないだろう。それは、年金を頼りにすることが見えないなか、老後の生活を考えると家賃負担を老後も続けるのは厳しい。やはり、老後対策として有効なのは、持ち家取得であることが大きいからである。もちろん、賃貸住宅に居住し貯蓄などで老後対策を取ることも可能であり、持ち家でなければならないということはない。だが、住居負担と老後への備えが兼ねられる持ち家取得へと進まざる負えないのが現実ではないか。

 持ち家を取得すればそれだけで老後への対策が万全になるわけではない。現役中の生活に無理がないこと、老後まで住宅ローン返済が重くのしかかることがない、のは当然として、いざとなれば売却や賃貸にして現金化できること、改装や修繕,再建築などに多額の費用が掛からないことが求められる。※話はそれるが買うときだけの状況で住宅は判断していけないということ。

 国も、住生活基本法を制定し、住宅の長期耐久を目指したのは、国民の資産形成と居住の安定を高めるものとしているが、これはすなわち、持ち家取得と長期使用による老後の住居費負担を軽減する意図であるといえる。もしかしたら、年金などの社会保障では老後の生活を支えてあげられないから、老後の生活は自分たちで備えてね、ということかもしれない。

 持ち家の人は保護しないよ、という姿勢は、現在の生活保護規定で持ち家の人を保護対象外にしていることからも分かる。なお、これだけを持って、持ち家を止め、国や行政に頼ろうとするのが良いとは言えない。何かしらのバックアップがあればそれに越したことはないが、何もなくても自分の生活は自分で守れるように備えなければならない。やはり、どこかのタイミングで住宅を取得することは必要となるのだろうか。

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2009年04月20日

違反建築の住宅を買ったら

[質問]

 5年前に建蔽率違反の一戸建て物件を購入しました。将来的に、できない事を知りたいのです。確か「増築ができない」と記憶していますが、リフォームもできないとなると大変です。

 建蔽率違反の住宅の改築で「できること」と「できないこと」を教えてください。

[回答]

 建物を建築する際、建築基準法の基準に適合しなければなりません。建築基準法の規定はたびたび変更されますが、新築時には適合であったものの、その後の法改正により不適合になった場合は既存不適格といい、新築時から不適合であった建物が違反建築と区別されます。

 建築基準法の規定には様々なものがありますが、その中でも違反建築として多いのが、建ぺい率や容積率などの大きさに関する違反、斜線制限などの高さに関する違反、道路への接道義務違反です。

 これらの基準に反した建物である違反建築の場合、建築確認申請であれば申請は通らず、建築中であれば解体などの処置を行政から命ぜられます。耐震偽装事件以降、チェック体制も厳しくなり、現在では違反建築のまま竣工までたどり着くことも少なくなりましたが、古くに建てられた建物の場合、完成まですり抜けてしまうことがありました。完成して既存してしまった場合、さらに居住を開始したり、転売などをされてしまうと、行政としても解体などの処置を命ずるのも難しく、さらに違反建築物を見つけることも難しいことから、そのまま存在することになります。

 しかし、存在しているだけで、容認されたのでも既得権を得たのでもありません。今後、改めて建築基準法の申請をする場合は、基準に適合しなければなりません

 建物の新築時に建築基準法の申請が必要となることはご存じかと思われますが、リフォームの場合でも、その工事内容によっては建築基準法の申請をして確認を受けなければなりません。建築基準法を要約すると、10u以上の増築、大規模な修繕や模様替えをする場合に建築基準法の確認申請が必要となります。(注:防火地域,準防火地域では面積規定はなく、10u未満でも申請が必要)

 この場合、増改築する部分だけが基準に適合すればいいのではなく、建物全体が基準に適合する必要がございます。違反建築の場合、特に建ぺい率違反であれば、基準に適合するように建物を小さく改築するならまだしも、元々が不適合になるため、どのような内容であっても申請は通りません。

 このことから建築確認申請が伴うリフォームをすることは事実上不可能です。なお、確認申請を伴わない表面的なリフォーム(クロス張り替え、設備入れ替えなど)なら、おそらく可能だと思われます。ただし、大々的なものは寝た子を起こす(存在を認知される)ことも考えられ、また、このような違反建築に対して、金融機関から融資は受けられません。リフォーム会社によっては、法令遵守の立場から違反建築物に関わることさえ避ける場合もあります。

 建ぺい率違反であれば建物自体に問題があるだけで、土地そのものに問題ないため、その敷地に適法な範囲での再建築は可能です。ただし、再建築する場合、現在建物で占められる割合が減少し、現在より狭い範囲でしか建築できません。現在の建物がどの程度の容積率により、建物そのものが小さくなるか大きくできるかは変わります。不動産売却そのものには問題ありません。その場合、建物の評価はマイナスとされ、土地としての取り扱いになると思われます。

◆ポイント

・建築物は建築基準法の基準に適合しなければならない。
・リフォーム内容によっては建築確認申請が必要となる。
・建築確認申請は建物全体の適合判断となる。
・敷地に適法な範囲での再建築は可能。

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